てめえ、さしずめトイ・ストーリーだな? 小原篤のアニマゲ丼小原篤印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

[PR]

「トイ・ストーリー4」でウッディが「おもちゃの使命」を投げ出し家出したことに初めはハラが立った私ですが、「これは“空の巣症候群”と“中年の危機”に直面した中年男が“第二の人生”に向かってあえて迷子になってみる物語なんだ」と思い直し、次作はウッディの“死”を描いて完結させてほしいと期待しましたが(2019年7月15日の本欄「トイ・迷える中年・ストーリー」参照)、見事に裏切られました。いけしゃあしゃあと帰ってくるとは。「今生の別れ」みたいな「4」のラストは何だったんだ?! いやでも、ジェシーの悲しい思い出が反転するドラマは大感動、50体のハイテク版バズの突進は大爆笑なんですけどね。7月3日公開のピクサーのアニメ映画「トイ・ストーリー5」のお話です。トイ・迷える中年・ストーリー ずっと遊んでくれたアンディが第3作で大学へ行くことになり、彼のもとを離れてボニーのものになったおもちゃたちは、第4作でウッディが去った後もカウガール人形のジェシーとバズ・ライトイヤーをリーダーとしてボニーを楽しませていましたが、内気なボニーに友達ができるよう両親がタブレット端末「リリーパッド」を与えたからさあ大変。ボニーはたちまちチャットやゲームにのめり込み、リリーは時代遅れのおもちゃたちを鼻で笑います。ジェシーは放浪中のウッディに無線機で助けを求めると同時に、ボニー初のお泊まり会に乗り込もうと外に出ますが、思わぬトラブルから別の家へ。そこは、ジェシーがかつての持ち主エミリーと暮らしていた家で、成長したエミリーに忘れられ捨てられたつらい思い出がよみがえり――。 序盤、おもちゃたちが屋根からよその家々をのぞいてみると子どもたちはみんな最新デバイスで遊んでいて、ウッディは「毎日おもちゃたちが捨てられている」とジェシーに嘆く。イマドキですね。ちなみに「ネットいじめ」もあり。ジェシーが旧エミリー宅(今はブレイズという女の子の家)で時代遅れのデバイスたちと共闘するけど、扱えるデータ量が小さかったり通信速度が遅かったり。AI搭載で頭が切れて自立心の強いリリーはおもちゃたちの忠告や苦言など全く耳を貸さないのに「命令調」(つまりコマンド)で言われると反射的に従ってしまう、といったギャグも。デジタルとアナログの対立をうまく物語に取り込んでいます。 外に出たおもちゃたちが、人間の目を避けつつ目的地を目指し、トラブルで迷子になり危険な場所に入り込み、仲間を助けようとむちゃな行動に出て――というのはこのシリーズお決まりのパターン。「ああ、またか」という気もしますがこれは30年見続けてきたスレたおっさんのボヤキ。ジェシーがエミリーの残した写真を見つけて驚き感極まる、という展開は逆に、シリーズを見続けてきたファンへのうれしいプレゼント。そうだったの、エミリー! 泣けます。 本作もう一つのお楽しみは5…この記事は有料記事です。残り1613文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人小原篤文化部|映画・アニメ・マンガ専門・関心分野映画・アニメ・マンガ全般関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする