ストーリー元奨励会三段・鈴木肇さん「落伍者」投稿への激情 将棋への一途な夢編集委員・北野新太印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

[PR]

将棋の元アマ名人で将棋講師の鈴木肇(はじめ)さん(38)は、かつて棋士養成機関「奨励会」で最高段の三段まで到達しながら年齢制限で退会を余儀なくされた経験を持つ。彼の歩み、見つめているものについてのロングインタビュー。 心の凍るような言葉だった。 鈴木肇は痛みを、怒りを覚えた。 今年2月、匿名者による投稿をSNSで偶然にも目にした。 「『元奨』が称号みたいになっているのほんと理解できない。『元奨』って『私はプロ棋士になり損ねました』『私は落伍(らくご)者です』と言ってることと同じだからね」 ふざけんな、と激情に震えた。顔も名前も出さない奴になぜこんなことを言われなきゃいけないのか。 自分は戦い続けた。中学3年から11年も棋士になる夢を追った。あと一歩の三段まで到達して命を賭するような勝負もした。 棋士にはなれなかった。なれなかったけど、戦った日々を誇りにして生きてきた。今も将棋を生活の糧に、愛する妻と小さな娘と暮らしている。そして、ずっと将棋を想い続けている。 自分だけじゃない。今の奨励会員には自分が将棋を教えた子もいる。同じように棋士を志しながら夢破れて去っていった多くの戦友もいる。奨励会で戦うことを、戦ったことを誇りにする多くの人々がいる。だから許したくなかった。「こんな時に目をつぶる人間になりたくなかった。俺が言わなくて誰が言うんだと思いました」 横浜市磯子区で育った。小さ…この記事は有料記事です。残り2521文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人北野新太文化部|囲碁将棋担当専門・関心分野囲碁将棋関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする