視点・解説2026年6月18日 7時29分(2026年6月18日 17時39分更新)有料記事青山直篤=フランス東部エビアン 小暮哲夫 エルサレム=遠藤雄司印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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米国とイランが合意した14項目の覚書の内容が17日、公表された。米・イスラエルの先制攻撃により引き起こされたホルムズ海峡の実質的封鎖で世界経済は混乱に陥り、中東地域に甚大な戦禍が広がった。覚書は、そもそも米国が戦いを仕掛けた理由だったはずの核問題を先送りし、イランの「復興と経済発展」の資金計画まで盛り込んでいる。 米国内では譲歩が目立つとして事実上の「敗北」との見方がある一方、イランからは「勝利」を主張する声もあがる。どう捉えればいいのか。米国、イラン、そしてイスラエルの立場から、各地の記者が解説する。・【米国】「火消し」優先、堂々巡りの議論・【イラン】譲歩と見返り、今後の協議に・【イスラエル】本格協議へ「不安要素」・【全訳】米国とイランの14項目の覚書【米国】「火消し」優先、堂々巡りの議論 アメリカ総局員・青山直篤 イランに譲歩しすぎたのではないか――。覚書の内容をめぐり、米国内でトランプ大統領に付きまとってきた批判だ。これを強く意識してか、トランプ氏は主要7カ国首脳会議(G7サミット)の終了後の会見で、「もしイランが合意を破ったら、めちゃくちゃに爆撃してやるだけだ」と述べ、何度も「爆撃」という言葉を繰り返した。 今回合意した覚書は、イランによるホルムズ海峡の実質的封鎖に手を焼いた米国が、まずはその「火消し」を最優先し、核問題などの難しい交渉を棚上げにする内容だ。米国は圧倒的な軍事力を背景にイランへの先制攻撃に踏み切ったにもかかわらず、逆に、攻撃前には考えられなかったようなイランにとっての「アメ」も盛り込む羽目になった。 その代表格が「イランの復興と経済発展のため少なくとも3千億ドル(約48兆円)を確保する」とした条項だ。この案が取りざたされていた時から、トランプ氏の共和党からも「ナチスが支配するドイツに(戦後復興資金の)マーシャル・プランを送るようなもの」(グラム上院議員)との声があった。トランプ氏が「真の愛国者」とたたえてきたFOXニュースの番組ホスト、マーク・レビン氏も17日、復興資金について「愚かすぎて理解できない」とX(旧ツイッター)に投稿した。 これに対し、トランプ氏や電話会見をした政権高官らが強調したのが、経済制裁の解除などを含むイラン側への「アメ」は、イランが合意を守らない限り空約束になる、という論法だ。 トランプ氏は復興資金について「我々が何かするわけではない、金は与えていない」と強調。バンス副大統領はCBSで「湾岸諸国によって拠出される可能性がある」と述べ、富裕なアラブ諸国に負担させる考えを示唆していた。 2015年の「イラン核合意」まで数年かかった核問題の交渉を、60日間でまとめるのは極めて難しい。トランプ政権高官は「向こうが長引かせる気なら激しく圧力を加えるだけだ」と攻撃の再開をほのめかした。 しかし、これは堂々巡りの議論になる。 イランにとってホルムズ海峡…この記事は有料記事です。残り3688文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人青山直篤アメリカ総局員専門・関心分野米国、国際政治・経済、日米関係、近代史小暮哲夫中東アフリカ総局員専門・関心分野中東、オセアニア、東南・南アジア、多文化社会関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする









