ストーリーウクライナの戦争がれき、漆喰タイルに再生 カギは現地パートナー岩田誠司印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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ロシアによる軍事侵攻で破壊されたウクライナの街のがれきが、福岡県田川市で再生タイルとして生まれ変わろうとしている。可能性を切り開いたのは、日本家屋や寺社の塗り壁などで使われてきた漆喰(しっくい)の知見だ。 良質な石灰の白い鉱脈があらわな山肌を望む田川市弓削田地区。地元で創業100年を超す田川産業の工場で高さ8メートルの巨大な高圧プレス機が稼働していた。約4千トンの圧を解いてプレートがゆっくりと上がると、硬く押し固められた40センチ四方の板が現れた。 北東部ハルキウ、南部ミコライウ――。ミサイルやドローンによる攻撃で破壊された街のがれきが原料だ。小さく砕いた状態で届いたその色合いは赤や白、灰色が目立つ。 「多くは家屋のれんがやマンションのコンクリートでしょう」。行平史門社長(39)が手にとって言った。 2024年、岸田文雄首相(当時)が、2年にわたる軍事侵攻を受けていたウクライナへの復興支援に日本の民間の技術を役立てると表明したのを聞いて、経済産業省にメールを送った。「がれきのアップサイクルに貢献できます」 田川産業は地元産の石灰で漆喰やセメントを製造してきた。その知見を元に開発し特許を取得した素材が漆喰タイル「Limix(ライミックス)」だ。一般的なタイルは粘土を焼いて作るが、消石灰を主原料とするこの素材は、強度を高める骨材と一緒に高圧プレス機で押し固めて乾かす。焼かないので骨材の素材は幅広く、がれきも使えると見込んでいた。漆喰と同様に乾燥する過程で二酸化炭素を吸収し硬化するため、二酸化炭素排出も抑えられる。 がれきについて忘れられない出来事があった。11年に東日本大震災の被災地でボランティアをした時のこと。うずたかく積み上がったがれきを片付けながら地元の人が言った。「がれきはがれき。でも、津波が来なけりゃ大切な家だったんだよ」 ウクライナの街を見て、その…この記事は有料記事です。残り710文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人岩田誠司西部報道センター|筑豊地区担当専門・関心分野南米、外国人労働者、農業、食、災害、環境、平和、教育関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする