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東日本大震災の原発事故で避難を強いられた高齢女性とその息子夫婦の3人の姿を追ったドキュメンタリー映画「三角屋の交差点で」が公開中だ。家も家業も失い、それまで当然としてきた「家長」「嫁」「しゅうとめ」といった役割が揺らぎ始める。事故から15年。福島の人々に向き合ってきた映画監督の山田徹さん(42)に作品へ込めた思いを聞いた。 監督初作品「新地町の漁師たち」が公開された翌年の2018年3月から約半年間、山田さんは原発事故の被害が大きかった浪江町の実態に迫ろうと、東京から移り住んだ。取材を通じて今作品の主人公となる渡部武政さん(撮影開始時75歳)、妻茂子さん(同)、武政さんの母テツさん(同99歳、20年死去)と知り合った。 一家は町で印刷所を営んでいたが、原発事故で避難。当時はいわき市内の復興公営住宅で暮らしていた。武政さんと初めて会ったのは、被災した浪江町の自宅で、片付け作業をしている最中だった。「母のために仏壇を避難先に運びたいことや、解体される前の自宅で家族の食事会を考えていることを話してくれました。家を失う喪失感の大きさを感じました」「被災者」とひとくくりにしがちだが…… 復興公営住宅へ一家を訪ねる…