コラム・寄稿対立じゃなく、ひそかな努力を見つけたい 自分の名前もかみしめて2026年6月13日 11時00分金沢総局・恒川隼 2024年入社 県警司法担当印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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この春まで過ごした前任地の埼玉県には、約2千~3千人のクルド人らが暮らしているという。 春の訪れを祝う祭り「ネウロズ」の会場で、開催に反対する人と参加者が言い争う場面や、クルド人の働く場に個人や集団が押しかけ、トラブルになる現場を取材してきた。違いが生む衝突や、あおられる対立を追ってきた。 そんな日々の中、ミニシアターで映画「夏休みの記録」を見た。 監督の川田淳さん(42)が勉強を教えたクルド人の姉弟や母親たちにカメラを向けた作品だ。顔が映ることも、名前が示されることもない。話す声やしぐさで映像が紡がれる。 上映後、川田さんから「子どもが机で勉強しているでしょ」と切り出された。 気に留めていなかった。 私の意識に残ったのは母親たちが床に紙を置いて勉強する様子。クルド人の生活では一般的なことだが、確かに子どもは机を使っていた。 「日本社会になじめるようにって、親が買ったからなんですよ」と川田さん。たどたどしい筆跡など、違いにばかり目を向けていた自分に気づいた。 そのとき、ふいに自分の名付けの理由を思い出した。 私の父はペルー人。「恒川隼」と名乗ると「ミドルネーム、ないんですね」と投げかけられ、居心地の悪い思いをする。 親からは「将来、名前のことで日本社会に溶け込めないようになってほしくなかったから」と聞いていた。 対立や違いは注目されやすい。けれど、なじもうとする小さな営みや、それを支えようとする動きもある。 誰かがひっそりと重ねる努力を伝えていきたい。 しかし、そう簡単には見つからない。4月に金沢に赴任し、街を歩いて人と会う毎日だ。 今のところ、おいしい台湾料理店を見つけられただけだけど。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






