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東日本大震災から6月11日で15年3カ月。津波を生き延びた雌ネコ「ペコ」はずっと、ガソリンスタンドの「番頭さん」を務めてきた。でも、最近ちょっと元気がない。 2008年9月、仙台市で生まれてすぐ、捨てられた。一人の女性に拾われ、岩手県大船渡市の彼女の親が住む家へ。その近所に住んでいたガソリンスタンド経営者の及川能一(よしひと)さん(70)は、築100年の家に出るネズミに困っていた。ネコを引き取り、以前の飼いネコと同じ名をつけた。 ペコは俊敏で、期待通りネズミをたくさん捕った。夜中になると必ず外出した。及川さんは足で板を踏むとチャイムが鳴るしかけを作った。 11年3月11日、大津波が襲った。自宅の隣のスタンドにいた及川さんらが避難をためらっているうち、波が来た。ペコを捜す間もなく、裏の石垣に逃げた。 3日後、全壊してがれきで埋まった自宅の中から、ミャーミャーと鳴く声が聞こえた。ペコだった。「どこかに逃げていたが戻ってきたんだろう」。がれきに阻まれて助け出せなかったが、その後、自分で出てきた。まだ恐怖で震えていた。及川さんが抱くと、少し安心した様子だった。 スタンドは1カ月後に営業を再開、1年後に新築した。ペコは首に「番頭です」という札をつけて客を迎えた。甘えはしないが人見知りせず、復興に向かう人々に元気を振りまいた。 家も店舗もなくし、ゼロから…この記事は有料記事です。残り270文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人東野真和釜石支局長|震災復興・地方自治担当専門・関心分野震災復興、防災、地方自治、水産業関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする