現場から2026年6月11日 16時27分メキシコ市=岩佐友印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする【動画】W杯開幕前日、メキシコ市のアステカ競技場まで盛り上がるサポーター=西岡臣撮影

[PR]

サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会は11日(日本時間12日午前4時)、メキシコ対南アフリカの一戦で幕を開ける。会場はメキシコ市のアステカ競技場。サッカー史を彩る数々の名場面が生まれた地で、史上最多48チームによる激戦の火ぶたが切られる。 10日にアステカ競技場で記者会見した国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長は「まさにサッカーの大聖堂。『世紀の試合』の舞台であり、最高の祝祭が行われた場所」と表現した。 このスタジアムはメキシコが開催地となった1970年、86年大会でも開幕戦が行われた。過去2大会では決勝の舞台にもなり、スター選手たちが伝説を刻んだ。 70年大会では、「サッカーの王様」と呼ばれるペレが躍動。決勝で先制点を決め、ブラジルを3度目の優勝に導いた。 ペレはこんな言葉を残している。 「アステカには特別な何かがある。それはここでプレーしてみないとわからない」 86年大会では、アルゼンチンの英雄マラドーナが後世に語り継がれるプレーを披露した。 準々決勝のイングランド戦で見せた「神の手」と「5人抜き」による2得点。決勝もこのスタジアムで制し、母国を2度目の優勝へと導いた。 日本サッカーの歴史においても重要な場所だ。 68年のメキシコ五輪で、日本が釜本邦茂らを擁し、3位決定戦に勝利。銅メダルをつかんだ。 2年前までメキシコ代表でコーチを務めていた西村亮太さん(41)は、この競技場での試合を経験している。 「メキシコにおける聖地。私の人生の中で最も熱量を感じたスタジアムだった」と振り返る。 客席は急傾斜のすり鉢状に設計され、収容人数は8万人を超える。サポーターの声がこだまし、ホームチームが強力な後押しを受けるという。 66年に開業したスタジアムは、今大会に向けて約1年半かけて改修工事が行われた。芝は、天然と人工を組み合わせたハイブリッド芝に変更され、選手用ロッカールームの移設や大型ビジョンの設置などが進められた。 AP通信によると、改修費を賄うため、21億ペソ(約190億円)の融資と引き換えに、国内大手銀行の名を冠した「バノルテ・スタジアム」に改称された。 ただ、命名権が適用されないW杯期間中は「メキシコ市スタジアム」と呼ばれる。シェインバウム大統領は「私は『アステカ』と呼びたい。多くの人がその名とともに育ってきたのだから」と話している。 開幕戦が行われる11日は、メキシコ市内の公立学校が休校となる。交通混雑の緩和や、観戦したり、イベントに参加したりできるようにする狙いがあるという。ホテル従業員のイバンさんは「アステカにまたW杯が戻ってくる。チケットが高くてスタジアムで見ることはできないけど、楽しみだ」と心待ちにする。 開幕戦を3度開催するのは史上初。アステカ競技場では今大会、5試合が行われる。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人岩佐友スポーツ部専門・関心分野サッカー、バレーボール関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする