インタビュー日本の息苦しさ測る「カナリア」 在日コリアンと国籍要件のこれまで聞き手・箱田哲也印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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三重県の一見(いちみ)勝之知事が、外国籍職員の採用を見直す考えを表明して半年。新方針の検討は続いているが、各地で広がる国籍を問わない職員採用の流れに真っ向から逆行する。 国籍要件の撤廃が広がったのは、かつて在日コリアンへの就職差別が問題となったためだった。自身も在日2世で民族問題に長く関わってきた金明弘(キムミョンホン)さん(72)は、外国にルーツを持つ人たちが多く共に暮らす「生野区(大阪市)モデル」に注目すべきだと語る。多文化共生うたう三重がなぜ…… ――一見知事の表明を知った時、まずどう思いましたか。 「大変意外でした。同時にとても残念に思いました。三重県は2022年、『差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例』を公布・施行するなど、むしろ多文化共生のモデル県になると期待していたからです。せっかくの立派な県の功績があるのに、歴史を逆戻りさせ、台無しにするような見直しではないかと、残念でなりません」 ――三重にも在日コリアンはたくさん住んでいますか。 「大阪は在日コリアンの首都などと言われるほど多いですが、三重にもたくさん暮らしています。また、戦後長らく三重県の鳥羽や志摩の海女さんたちが、朝一番の近鉄電車に乗って採れたてのアワビやサザエを鶴橋(大阪市)の国際市場に届けてくれるという歴史が続きました」 ――知事の表明で、とりわけ何が問題だと感じますか。 「多文化共生という時代の流れに逆行していることです。在日コリアンには、差別と貧困に苦しんできた歴史があります。1970年に日立製作所の就職差別の事件が起きました。就職試験で合格した後、韓国籍だと伝えると就職が取り消された。裁判で勝訴し、理不尽な就職差別だと認められました」 「その後、就職差別の分厚い壁に少しずつ風穴が開いていきました。地方公務員の事務職に国籍要件の撤廃の動きが広がり、政令指定市でも96年に川崎市が撤廃。三重県も99年に一部職種を除き撤廃しています」 ――日本における在日コリアンの存在をどう考えますか。 「『炭鉱のカナリア』のような存在だと思っています。日本が朝鮮半島を植民地支配した1910年、わずか数千人だった在日朝鮮人は、終戦時には200万人を超えていました。私の両親も30年に日本に来て、私は日本で生まれました」 「こんな経緯の中で、在日コ…この記事は有料記事です。残り1719文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする