インタビュー外国籍公務員の採用 門戸開く自治体増えても、若者たち阻む「制限」聞き手・北沢卓也印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
[PR]
三重県の一見(いちみ)勝之知事が県職員の採用で国籍要件を復活させる考えを示し、波紋を呼んでいます。国外への情報漏洩(ろうえい)の懸念などを理由として挙げていますが、差別や偏見を助長する恐れもあります。移民政策に詳しい国士舘大学文学部の鈴木江理子教授に聞きました。 ――地方公務員の採用で国籍要件があるのは、どういった経緯なのでしょうか。 「公務員採用について、法律で日本国籍に限ると明記されているのは外務公務員のみです。それ以外は、国家公務員であっても法律では何ら言及されていません。しかし1953年に『公権力の行使または国家意思の形成への参画にたずさわる公務員となるためには日本国籍を必要とするものと解すべき』とする内閣法制局見解が示されたために、外国人の公務就任権は否定され、国でも地方自治体でも外国人は公務員から排除されました」 「これに対して、主に旧植民地出身者の権利獲得を目指す動きのなかで、73年、阪神地域の市町が地方公務員(一般事務職)の国籍要件を撤廃したことを皮切りに、同様の対応を行う自治体が徐々に増えていきました。その経過の中で、『公権力の行使』という解釈をめぐって、地方自治体と自治省(現総務省)との対立がありましたが、現在では『公権力の行使』に該当する職種について各自治体の判断にゆだねるという見解を総務省も示しています。人権団体のまとめによると、都道府県では三重県を含む12府県で国籍要件が撤廃されていますが、全体で見ればまだ少数です。加えて、管理職には登用しないといった任用制限が、いまだ残っています」 ――地方公務員採用での国籍要件について、どう考えますか。 「地方自治法では、域内に住所を有する者は国籍に関わらず『住民』と定めています。国籍で線引きする必要はなく、私は、法律に基づかない国籍要件は不要だと思いますし、任用制限もできる限り無くすべきだと考えます。日本国籍を有さないというだけで、能力が正当に評価されないのは理不尽ではないでしょうか」 「また、住民の国籍が多様化している中、外国籍職員は住民サービスの提供者として外国人であることの特性を生かせますし、行政にとっても貴重な存在だと思います。当事者目線で、より細やかな対応もできるはずです。外国人にとっても、外国籍管理職の存在は、自分たちが対等に評価され活躍の場が与えられるという指標になります」国籍要件撤廃だけでは不十分 ――三重県は国籍要件を復活させる見直しを検討しています。 「フランスの哲学者であるジ…この記事は有料記事です。残り1877文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人北沢卓也名古屋報道センター 論説委員補佐兼務専門・関心分野憲法が関わる社会課題、定住外国人、公共交通関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする








