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レッツ・スタディー!英語編⑧ 時間を大切にする方法 NMB48メンバーと共に「生きた英語表現」を学ぶ「レッツ・スタディー!」英語編第8回です。高校3年生の石山千尋さん(18)と大学1年生の青原優花さん(18)のコンビは今回、「時の記念日」(6月10日)にちなみ、「時間の使い方」についてのお題に挑戦しました。伴走役は引き続き松宮新吾・追手門学院大学教授(英語教育学)です。(構成・阪本輝昭)【お題】時間を大切にするために、心がけている習慣は? 日常生活で時間を大切にするために、あなたがふだん心がけている習慣や約束事を英語で紹介してください。 ◇【青原優花さん】私は1時間前行動! 朝ごはんもゆっくりと! To keep track of time, I always try to act one hour ahead of schedule. Especially in the morning, if I relax too much, time flies by before I realize it, and I start to panic. So, I try to get ready early and give myself plenty of time. This habit helps me feel calm and relaxed throughout the day. For example, if I want another helping of breakfast, I can enjoy it slowly without rushing. Also, even if I accidentally forget something at home, I still have enough time to go back and get it. Thanks to this “one-hour-early” habit, my mornings become much smoother and happier. I believe having extra time in your heart can make every day brighter and more peaceful. 【本人による和訳】 私が時間を守るために心がけていることは「1時間前行動」です。特に朝はゆったりしすぎていると、気づいたら時間が過ぎていて焦ってしまうことがよくあります。だからこそ、できるだけ早めに準備をして、1時間前に余裕をもって行動しています! そうすると、朝ごはんをおかわりしたい時でも、ゆっくり楽しみながら食べることができますし、何か忘れ物をした時もおうちに取りに帰ることができます。この「1時間前行動」のおかげで、朝の時間がとてもスムーズで楽しくなりました。心に余裕を持つことで、毎日がもっと明るく穏やかになると思っています。 ◇【石山千尋さん】私はスキマ時間を活用派! お風呂で大熱唱 I always try to make the most of my spare time. I think little moments of free time are very important for balancing my studies and idol activities. On the train, I edit videos for social media. During short breaks while watching TV, I memorize English vocabulary little by little. And in the bath, I love singing my favorite songs at the top of my lungs! Sometimes my mom scolds me because I sing too loudly in the bath, but I just can’t help it because singing makes me so happy. By making good use of my spare time, I can reduce wasted time and work more efficiently. To me, these small moments are actually the most precious time of all. 【本人による和訳】 私は、スキマ時間を最大限活用しています。学業とアイドル活動の両立において、スキマ時間はとても大切です。 実際に私は、電車の中でSNS用の動画編集をしたり、テレビを見ている合間のちょっとした時間に英単語を覚えたりしています。そして、お風呂の中では大熱唱したりしています。お風呂で歌い過ぎて母に怒られることもありますが、歌うととても幸せな気持ちになるので、つい熱唱してしまいます。 スキマ時間を上手に使うことで、無駄な時間を減らし、より効率よく活動できると思います。私にとってスキマ時間は、一番大切な時間です。 ◇【対論】「時は金なり」は世界共通! 時間を無駄にしないためには 青原優花さん アイドルになってから、本当に「時間の大切さ」を日々感じるよね。 石山千尋さん そうなんです。1日のうちにやることが多くて、時間を無駄にできない。 松宮新吾教授 「Time is limited(時間は有限)」「Time is money(時は金なり)」……。英語圏にも時間の大切さを強調する表現は多いです。洋の東西を問わず、人はみな時間に追われながら生きているんですよね。 青原さん はい。でも、ちひるんの「スキマ時間活用法」はいいね。私もまねしたい。 石山さん スキマ時間を制する者が、アイドル界を制すっ! 青原さん と、突然何よ!? 石山さん アイドル活動でも同じですよね。劇場公演なら曲と曲の間のわずかな時間。トークコーナーで自分がしゃべっていない時間。そのスキマに、なるべく多くの方とアイコンタクトを取ることを心がけています。 青原さん スキマ時間に神が宿る、というのはあるかもね。ファンの方々も仕事や家事、学校などのそれぞれ忙しい時間のスキマに、劇場やイベントへ来てくれているわけだし。そのわずかな時間にいかに楽しんでもらえるかが勝負だもんね。 石山さん そう、スキマ時間を制するのです。忙しすぎる現代人 立ち止まる時間が必要です(松宮教授) 松宮教授 そうなると、スキマ時間ってすごく豊かな時間でもありますよね。石山さん、それを単にspare timeと訳すのでは少し味気ない気がしませんか。 石山さん 確かに、そうですね……。 松宮教授 little momentsやsweet little breaksなどはどうでしょうか。small pockets of timeなどもおしゃれです。 石山さん 小さな時間のかけら、か。単なるスキマに生じた時間じゃなくて、自分で意識的につくり出す語感があって素敵です。 松宮教授 忙しい現代人にはtime to pause(立ち止まる時間)も必要です。ふと手を止めて、周りを見渡すゆとりをもちたいですね。それこそが本当に時間を大切にするってことじゃないでしょうか。「1時間前行動」は心のゆとりにもつながる(青原優花さん) 青原さん その通りだと思います。私の1時間前行動も気持ちにゆとりを保つためなんです。To keep track of time(時間を守るため)とするより、time to breathe(ほっとする時間)、mental space(心の余裕)を得るため、と表現する方が近いですかね。 松宮教授 素晴らしい! 石山さん 私がお風呂で歌う時間もまさにそれです。リラックス、リセットするための時間。 青原さん ちひるんの歌声、大きそう……。 松宮教授 ゆとりは大切です。なぜかといえば現代の経済では、時間だけではなく人の注意力までもがscarce resource(希少な資源)の一つとみられるようになっています。どれだけ人の時間や集中力を引きつけられるかが価値になる。Attention Economy(注意力経済)です。 青原さん 私たちの「注意力」そのものが、経済的に意味を持つ時代なんですね。 石山さん 確かに。スマホを眺めていたらいつの間にか時間が過ぎていることもあります。 松宮教授 そう、だからこそ大切になるのがattention management(注意力管理)。外から入ってくる刺激的な情報に振り回されすぎず、自分の心や集中力をマネジメントし、本当に好きなものや価値あるものに振り向ける力です。 青原さん それが、時間を本当の意味で大切に使うことにつながっていく、と。 石山さん 日々意識しないと、ですね。 松宮教授 でも、日々時間と格闘しているお二人だからこそ、time to pauseの大切さもきちんと知っていて、さすがだなと思います。 青原さん 時間って、客観的な時間と、主観的な時間とがありますよね。 松宮教授 おっ、どういうことでしょう。一瞬でも、密度の高い時間がある!(石山千尋さん) 石山さん それ、わかります。例えばファンの方々との交流の場である握手会やお話し会。一人ひとりとの会話はごく短時間ですが、私たちもファンの方々も最大限に集中力を高めて臨みます。だからか、いつもより時間の密度が高い気がします。 松宮教授 へええ。 青原さん 密度によって、同じ時間でもゆっくりと過ぎたり、あっという間に過ぎたり。面白いですよね。 石山さん 会話は一瞬でも、その時にもらったうれしい言葉や応援の言葉はずっとずっと、胸に残ります。時間って不思議です。 青原さん 私も、初めて大きな会場でソロ歌唱を披露した時は、緊張と感動で、時間が永遠に止まったかのように感じました。客席からの視線が私一人に集中している感覚、大きな歓声。一生忘れない風景です。 松宮教授 素敵です。時計の針のほかに心の針が刻む時間(the time my heart ticks)がある、と。せっかくなので、その概念を英語にしてみませんか? 青原さん A single moment becomes forever in my heart.(一瞬が私の中で永遠になる) どうでしょうか? 石山さん え、何て言いました? もう一度。 青原さん ちひるん! 集中して聴いて! ◇【コラム】青原さん、石山さん「初めてのオール」を語る 5月27日にNMB48の新曲「初めてのオール」がリリースされました。青原さん、石山さんはこの曲の歌唱メンバーに選抜され、加わっています。「初めてのオール」とはどんな曲なのか。二人に語ってもらいました。【青原優花さん】不便で楽しい?昭和時代 無駄な時間も人生の楽しみ 「初めてのオール」は、オールナイト(夜通しで遊んだり騒いだりすること)にあこがれをもつ女の子の物語です 曲調は「昭和のムード歌謡」を思わせる、レトロでノスタルジーあふれる雰囲気です。昭和世代の方々にとってはきっと懐かしく、私たち令和世代にとっては新しい。そんな楽曲です。 カラオケ店で歌って騒いで、朝を迎える。 徹夜で遊ぶという経験に最初はドキドキしていたけれど、終わってみれば何か特別なことがあるわけでもない。そのがっかり感に似た空虚な感情と、それでも一歩だけ大人になったような達成感が同時に浮かび上がる歌詞の世界です。 曲調には昭和な雰囲気がありつつ、歌詞には突然「LINE」や「スマホ」が登場したりして、「えっ、私は今、どの時代にいるの?」と不思議な感じを味わいます。そんな遊び心も魅力の一つです。何度でも聴き返したくなる、くせになる1曲だと思います。 私自身は「オール」をしたことがありません。 大みそかなどに「よし、朝まで起きているぞ」と決意することはあるのですが、いつも眠気に勝てず挫折してきました。 眠らずに夜を明かした先には、いったい何があるのか? 歌詞の主人公のように、私も気になります。 単なる無駄な時間なのか。それとも、青春時代にしか経験できないこととして、何年かたったあとには楽しい思い出になっているのか。 その意味で、「初めてのオール」は「時間のもつ価値」を問いかける曲でもあり、今回の英作文のお題にもつながるテーマだと思っています。 スマホのなかった昭和時代は、今より「無駄な時間」が多かったと聞きます。待ち合わせに人が来なかったり、道に迷ってしまったり、お店にたどり着いても定休日だったり。スマホで簡単に連絡を取り合えて、様々なことを調べられる現代では想像しづらいですが、当時を知る方々に聞くと「昭和は昭和で楽しかった」といいます。 不確実な部分があるからこそ人に会う楽しみや喜びが大きかったり、探していたものに出会えたときの幸せも増したりしたのかもしれません。 今回の英作文をめぐる松宮先生との対話では、「無駄な時間」「スキマ時間」を過ごすのも人生の楽しみなんだという新しい視点をもてました。 タイパ(タイムパフォーマンス)ばかり意識してしまう私たち世代ですが、無駄のように思えても、あとからじわじわ価値が出てくる時間があるんだということは忘れないでいたいです。 あと、MV(ミュージックビデオ)も見どころいっぱいです。昭和テイストな喫茶店の一角で、「街でうわさのカップル」が何やら気まずそうな雰囲気で向かい合っています。彼氏役を演じるのがセンターの塩月希依音さん、彼女役が私です。 二人の間に一体何があったのか。一体どんな話し合いをしているのか。感情表現が豊かで、演技が大きい昭和のテレビドラマをほうふつとさせる展開が待っています。二人の行く末をあれこれ想像しながら見ていただけると楽しいと思います。 MVはYouTubeで公開されているので、ぜひご覧ください! ◇【石山千尋さん】夜はおばけが出る! オールはおっかない 野菜いため、たこ焼き、りんごあめ。 私の好きなものです。「好みが昭和っぽいね」といわれます。でも、昭和が好きというより、時代を超えて愛されているものが好きなんです。時空を超越するほどのおいしさがあるから。 「初めてのオール」もそうです。 確かに歌の雰囲気は昭和テイストですが、どこか人の心をときほぐすような、ノスタルジーを感じさせるようなリズムがあります。時代を超えて愛されていく味わいがあると思うんです。 とはいうものの、「オール」は未経験です。 夜はおっかないです。小さい頃、母に「夜更かしすると、おばけが出るかもよ」と言われて寝かしつけられました。いつまでも寝ようとしない子がおばけの世界に連れていかれるという絵本も覚えています。怖かったなあ。 祖母が昭和のバブル時代を経験したそうです。 当時のど派手な色のワンピースを見せてもらいました。なんというか、勢いのある時代だったんだと思います。「よしっ、今夜はみんなでオールしちゃうぞ!」という感じだったのかな? そういう熱気のうずの中に身を置いてみるのも楽しそうです。おじいちゃん、おばあちゃん世代にもきっと「時間とお金の浪費だったけど、仲間との楽しい一夜だったなあ」としみじみ思い出す人がたくさんいるんでしょうね。 私も18歳、成人となりました。そろそろ、漆黒の夜を越えた先にあるものを見てみたくはあります。そこに、おばけは本当にいるのでしょうか。 知りたいような、知りたくないような。