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児童8人の命が奪われた大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の事件から、8日で25年を迎えた。長女の優希さん(当時7)を失った本郷由美子さん(60)=東京都在住=は昨年、教員の悩みに耳を傾ける相談員の一人として学校をまわった。「先生たちが心に余裕を持って安心できる環境で働けることが、子どもたちの安全につながる」と思うようになったからだ。 「大きくなったら、先生になりたい」 小学校に入学した優希さんは、学校で出会った教育実習生たちにあこがれ、将来の夢を何度も由美子さんに語っていた。教育実習生からお別れの時にもらった手紙を宝物にしていたほどだった。 そんな大好きだった学校で、優希さんは命を落とした。 教室内で襲われ致命傷を負いながらも、校舎の出口に向かって廊下を懸命に進んだ。 その距離は39メートル。由美子さんの歩幅で68歩だった。 なぜ、犯人の侵入を防げなかったのか。なぜ、命が奪われたのか。 由美子さんは事件直後、やり場のない悲しみと怒りを教員たちにぶつけ、必要以上に責めてしまった。「先生の視点に寄り添うことが」 そんな自分を悔やむできごとがあった。 由美子さんは3年前から、都内の小学校で低学年の児童の学校生活を支援する副担任相当の立場で働くようになった。「子どもの笑顔を守りたい」との思いからだ。 すると、それまで保護者の立場からは見えなかった教員たちの働き方が分かるようになった。 情報化社会や、グローバル化、多様性の理解への対応など、社会の変化にともない、その都度、教員に求められる仕事は増えていく。 「先生たちは、私たちが外側で想像できないほどの努力と苦労があり疲弊している」と実感した。 昨年には、都教育委員会の教職員アウトリーチ型相談委託事業に応募し、相談員になった。 都内各地の学校におもむき、若手教員を中心に悩みや困りごとについて面談する。希望があれば教育委員会や学校との情報共有の橋渡し役を担う。 ただ聞いてほしいという教員もいる。由美子さんは自分の素性は明かさず、穏やかな表情で耳を傾ける。 「先生の視点や環境を理解し、寄り添うことが、学校の安全につながる一助になるのではないか」 由美子さんは、そう考えるようになった。 ◇ 今年、優希さんが1年生だった時の教育実習生から一通の便りが届いた。 学校での優希さんの姿が写っ…この記事は有料記事です。残り276文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人松浦祥子大阪本社ネットワーク報道本部|豊中支局専門・関心分野教育、社会的養護、地域の話題関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする