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とても良く出来ているのに「違う! それじゃない」とため息が出る2作を第1回日中国際アニメ映画祭(JCIAFF/5月28~31日開催、角川文化振興財団主催)で見ました。AIも使って“完璧”な水墨画タッチを実現したのに情趣を欠く短編「陪伴」と、獅子舞をやめて普通のカンフー映画になってしまった長編「ライオン少年2」。こうしてコラムのネタになってくれたのはありがたいのですが。 張麗監督の「陪伴」は、鵜(う)飼いの老漁師と傷ついた鵜の絆を描く物語、といっても大したスジはないのでキモは水墨画タッチの醸し出す情趣、情緒、ムードなのです。じいさんも小舟も鵜も3Dモデルで、これが見事に水墨画調になっていて背景と融合。大胆な筆の走りを感じさせ、描ききらない余白もあり、墨の濃淡、かすみ、にじみもバッチリ。ザックリした線の集合体であるにもかかわらず、どの角度から見てもどんなポーズを取っても破綻(はたん)なし。「セルルック」というのがありますがこれは「水墨画ルック」ですね。 しかし、動きまで“完璧”なのが良くなかった。AIの力なのか、実写の動きをデジタルに移し替えるモーションキャプチャーなのか、人と鵜の動作がリアル過ぎてなめらか過ぎるのです。水墨画の衣装をまとっただけの、本物の役者と鵜を見ているよう。そこにアニメならではの喜びはありません。水墨画というのは引き算の美であり枯れた味が良さなのに、こんなリッチな動きをさせたらぶつかりあって違和感ばかりが胸をざわつかせます。逆にギャップを狙って、こんな枯れたルックでマイケル・ジャクソンを踊るとかスノーボードのトリプルコーク1440を決めるとかさせたら、大いにウケがとれたかも。 中国アニメ界が「水墨画タッ…この記事は有料記事です。残り2137文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人小原篤文化部|映画・アニメ・マンガ専門・関心分野映画・アニメ・マンガ全般関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






