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食欲をなくした、仲間のライオンが死んでしまって……。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻(まわ)り猫」。今回は、酷暑の中で過ごす動物たちのエピソードです。「動物はいつも黙ってベストを尽くす」きょうも、心の涙のにおいをかぎつけた、猫の遠藤平蔵。動物園のライオンに声をかけます。「おまいさん、泣いておられるな 心で どうなすった?」ライオンは「仲間が死んだ 暑すぎたらしい…」とぽつりと漏らします。「また地平線まで走りたい」と夢を語り合っていた仲間でした。「食欲がなかった 看病してもらってたけど、今日死んでしまった」遠藤は、「そうか……」と声を落とします。「動物はいつも黙ってベストを尽くす 具合の悪さが見てわかるようになった時には、もう……」遠藤がそう思いをはせていると、一軒家から大きな「やだーーー」という声が聞こえてきました。かわいがってくれるお母さん・お父さんに対して、要望を訴える猫のものでした。「お母さんここにいて」「何か飲みたい!はちみつ入ってないよ」そんな声を聞きながら、遠藤は「あ、猫は例外 わがまま」と指摘し、子猫の重郎は「ふはは」と思わず笑うのでした。酷暑日、「まさか」と思った未来作者の深谷かほるさんは、近年の気候変動を念頭に、この漫画を描いたといいます。深谷さんは「40年くらい前、朝日新聞に『未来の日本の気候を計算すると、40年後の8月、大手町の気温は42度になる』といった記事が出ていたんです」と振り返ります。「驚いて、友人知人に『信じる!?』と聞いて回ったことがありました。全員が『まさか!42度はないでしょ~』と言いました」当時は、暑い日といっても30度くらい。「体温を超える気温は未体験。エアコン所持率は半々といったところだったんです」と言います。しかし現在は、気温40度を超える日をさす「酷暑日」という言葉があるほど。深谷さんは「今、まさかと思った未来が来ましたね。気温40度超えの気温も、豪雨や水害が増えたことも、憲法改正の議論も……『ライオンが死んでしまう前に間に合うか?』みたいなもので、間違う前により良い世の中にしていけるかどうかは容易ではなさそうです」と語ります。「でも、柔軟に懸命に取り組もうと思っています」マンガ「夜廻り猫」猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。SNS上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。 ◇深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本12巻(講談社)が2026年5月に発売。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が2024年11月に発売。ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel