視点・解説デマや自己責任論はどう生じたのか 社会心理学から読み解くコロナ禍2026年6月7日 8時00分東山正宜印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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感染して苦しんでいる人を非難したり、デマや陰謀論に走ったり――。新型コロナウイルスの感染が拡大していた時、確かにそんな人がたくさんいたなあと思い出させつつ、そうした過剰な反応や振る舞いがなぜ起こっていたのかを社会心理学的に読み解いた一冊「コロナの物語×心の科学」(ちとせプレス、三浦麻子・寒竹泉美著、税抜き2300円)が刊行される。 本書は、新型コロナの確認からクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」の入港、東京オリンピックの延期や緊急事態宣言といった時系列を、会社員や保育士、大学生らの物語として追いつつ、そこに登場する人たちの行動や考え方について、大阪大で社会心理学の教授を務める三浦さんが解説していくという仕立てになっている。 例えば、感染した人を「どうして人混みに行ったのか」「ちゃんと予防対策をしていたのか」なんて非難してしまう背景には「公正世界信念」があるという。「よいことをすれば結果が伴い、悪いことをすれば報いを受ける」と考えがちな心理のことだ。 感染症なんて、かかる時はかかるし、落ち度がなくてもかかる。しかし、三浦さんの調査では、「非常時には、政府による外出自粛など行動制限が必要だ」と考える人は、「感染は自業自得」とも考えがちだった。 あれから5年余り。コロナは落ち着き、あんなに重苦しかった自粛の毎日は遠い記憶になりつつあるけれども、相変わらず感情を揺さぶられる出来事は多いし、過剰に反応する人もいる。ロシアの侵攻やイスラエルの侵攻、米国の侵攻なんて状況に、ますますSNSはやかましい。 しかし、「まったく共感できない人も、その人なりの考えがある。声を荒らげるのではなく、どうしてそうなるのかの違いを理解し、工夫して向き合うことで、支え合える」と三浦さんは説く。記憶を振り返るだけではなく、いまなお続いている難題への対応策集として活用したい。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人東山正宜編集委員専門・関心分野宇宙、データジャーナリズム、科学技術関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする