Re:Ron(リロン)編集部から

[PR]

ひとたび転勤の辞令が出れば、悲喜こもごも。家族連れで引っ越すか。単身赴任を選ぶか。本人のキャリアや家族の都合がそれぞれある中での、人生の転機です。 この春、「転勤の社会学」を著した社会学者の藤野敦子さんは、配偶者の転勤で一時期、主婦の道を選んだ自らの体験が、このテーマを研究する動機の一つだったそうです。 夫の転勤に家族が同行すれば、妻のキャリアや家族の暮らしは変化を迫られます。子育て世帯で夫が単身赴任すれば、妻は「ワンオペ」に。負担の偏りが生じます。 藤野さんによると、転勤は高度経済成長期に広がり、日本型雇用システムの中で続いてきました。今回の著書で転勤が少子化の要因かを探ったところ、転勤族のために各地に社宅が整備されたことで、家族ごと赴任して女性が家事や育児を担うという性別役割分業が促され、意外にも少子化を抑制してきた面もあったといいます。 ただ、近年は単身赴任や共働きが増え、転勤が少子化の要因に。コロナ禍や人手不足を機に企業が柔軟な働き方を取り入れる動きも広がっています。藤野さんは、転勤制度はそれをいとわない男性同士の評価システムとして機能し、性別役割意識を温存してきたと指摘。一定の転勤は今後も残ると見つつも「人手不足と少子化が同時に進む時代にふさわしい働き方を模索する必要がある」と言います。 「職場や家庭で誰もが自分の事情や希望を口にすることができる心理的安全性を大事に」。インタビューした藤野さんの言葉を胸に、取材を続けます。言論サイトRe:Ron(リロン)https://www.asahi.com/re-ron/編集部への「おたより」募集中:https://forms.gle/AdB9yrvEghsYa24E6Xアカウント:https://twitter.com/reron_asahi/おすすめ論考をメールで(週1):https://digital.asahi.com/support/mail_service/login.html?mail_id=reron