現場から少子化で経営成り立たず 地域最後のお産休止、空床増えるこども病院後藤一也 高絢実印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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2025年に国内で生まれた日本人の子どもは67万1236人。10年連続で減少し続けている。昨年の出生数67万人、10年連続過去最少 出生率も過去最低 想定を超える少子化は、医療現場に大きな影響をもたらしている。産科の撤退、小児科の空床など、これまでの医療体制の維持は難しくなっている。【動画】止まらぬ少子化が、小児医療の現場にも影響している=高絢実撮影 今年3月末、埼玉県本庄市の池田レディースクリニックは、分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止した。本庄市を含む1市3町のエリアにかつては分娩施設が10ほどあったというが、唯一の分娩施設がお産をやめることになった。 池田誠院長(67)は「少子化で経営が厳しくなり、クリニックの建て直しのための貯金を切り崩していた」。祖父が1899年に開業し、助産所になった時期もあったが、3代続けて地域のお産を支えた。 かつてお産で取り上げた子が、次は自分の出産で来てくれる。夜間や休日に緊急帝王切開をしたり、救急隊から「赤ちゃんが出ちゃってる」と連絡を受けて対応したり。当時救うことができた小さな命が大きくなって顔を出してくれる。「天職だと思っていた」 ただ分娩件数は、ピークだった2000年は628件あったが、25年は258件。周りの医療機関がお産をやめても、件数は増えなかった。本当は産婦人科医と麻酔科医の息子に継いでもらう予定だったが、現状では困難と判断した。 現在は、近隣の分娩施設と連携して妊娠中の経過を観察する「セミオープンシステム」を始めている。妊婦健診はクリニックで、分娩は近隣の施設にお願いする。 これまで、週1日だけは外部の医師が当直をして、それ以外は一人で24時間対応してきた。30年ほど遠くに遊びに行っていない。「がん検診など婦人科疾患で地域に貢献していきたい。分娩は嫌いじゃないから、さみしい気持ちがないわけではないけど、少し夫婦でいろんなところに行ける時間が作れるかな」最後の砦もベッドも埋まらず 妊婦と赤ちゃんの命を守る最後のとりで「周産期母子医療センター」も、少子化の影響を大きく受けている。 長野県安曇野市にある長野県立こども病院。1993年に開院し、特に治療が必要な妊婦や子どもを集中的に治療する「総合周産期母子医療センター」としても患者を受け入れてきた。 5月下旬の平日。体が小さかったり医療が必要だったりする赤ちゃんが入る新生児集中治療室(NICU)にはほぼ空きがなく、人工呼吸器や点滴につながれた赤ちゃんが眠っていた。回復期治療室(GCU)も埋まっていて、時折、小さな泣き声が響く。病院の副院長で総合周産期母子医療センター長を務める廣間武彦医師は言う。「ベッドが空いている時もあります。昔は常に搬送依頼がかかっていた」 長野県は総合周産期母子医療…この記事は有料記事です。残り834文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人後藤一也くらし科学医療部|医療担当専門・関心分野科学、医療高絢実くらし科学医療部|社会保障担当専門・関心分野外国人、在日コリアン、社会保障全般関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする