いとこ同士、猛暑に強い新品種 滋賀・ことさんさん 京都・京式部2026年6月2日 7時00分辻岡大助 日比野容子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
[PR]
猛暑に負けないコメの開発が進んでいる。「近畿の米蔵」と呼ばれる滋賀県では、新品種「ことさんさん」が登場。ひと足先にデビューした京都府のブランド米「京式部」とは、共通の祖父母を持つ「いとこ同士」だ。新たなブランドの競演となるか。 滋賀県は猛暑に強い近江米の新品種「ことさんさん」を開発した。近年の夏の高温で品質低下が深刻になっていた早生(わせ)の「キヌヒカリ」に代わる品種で、生産者から新品種が求められていた。 県農業技術振興センターが2009年に中生(なかて)の「にこまる」と早生の「レーク65」を交配し、試験を重ねてきた。今年2月に農林水産省に品種登録を出願した。一等米の比率 落ち込む 「ことさんさん」の品種名は、「湖の都」である県内の水田で、稲穂がさんさんと太陽の光を浴びている様子をイメージした。 県産米は猛暑の影響で品質が低下している。特に、約5千ヘクタールで栽培され水稲作付面積の約17%を占めるキヌヒカリは深刻だ。最高等級の1等米の比率は21年産の73・0%をピークに下降。25年産は速報値で21・3%で、落ち込みぶりが顕著だ。 センターの試験によると、ことさんさんの収量は10アールあたり640キロで、キヌヒカリより約1割多かった。白く濁ったように見える粒の割合を示す「白未熟粒(しろみじゅくりゅう)率」もキヌヒカリの39・0%に対し、ことさんさんは16・2%。食味もキヌヒカリより良好だという。成熟期は例年9月5日ごろになるという。 今年の作付けは県内各地の計10ヘクタール。27年産から本格的に栽培を始め、県は30年に5千ヘクタールを目標に拡大に取り組み、「西日本一の米産地」をめざすとしている。「いとこ」はすでにデビュー 京都府も2017年から、暑さに弱いコシヒカリに代わる新たなコメの開発をスタートさせた。コシヒカリを基準米としつつ、京料理人やお米マイスターらの「舌」の力を借りて栽培試験と食味試験を繰り返し、21年に「老舗料亭が認めるお米」をキャッチフレーズにした「京式部」が本格デビュー。ブランド名は、紫式部にあやかった。 「京式部」と滋賀県でデビューした「ことさんさん」は、台風や大雨でも倒れにくく、品質も落ちにくいとされる「北陸174号」という品種を祖父母の代で共有する。人間にたとえると「いとこ」同士にあたる。 京都府などによると、「京式部」は大粒で香り高く、冷めてもおいしいのが特徴で、京都の老舗料亭がシメの土鍋ごはんなどで提供している。ただ、農薬や化学肥料の使用を通常の50%以下に抑えた「特別栽培米」で、作付面積は全体の1%程度。生産拡大が課題だ。 京式部を食べられる店や買える店は、公式サイト(https://kyoto-kome.net/)で紹介されている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人日比野容子京都総局|経済(京都・滋賀)専門・関心分野オーバーツーリズム、鉄道・交通政策、歴史文化、医療・介護、クラシック音楽、スキー、料理、欧州など関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







