ストーリー移籍金を活用した「彩艶ハウス」 浦和レッズに受け継がれるレガシー2026年6月1日 17時00分照屋健印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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サッカーJ1浦和レッズの育成組織に通う子どもたちが利用するさいたま市の施設がこの春、改築された。ワールドカップ(W杯)北中米大会に出場する浦和出身のGK鈴木彩艶(ざいおん)(パルマ)の移籍金の一部を活用して建て替えたことから、クラブ内部での愛称は「彩艶ハウス」。子どもたちのために、という鈴木本人の思いもくんだ施設になっている。 5月末、小学生のジュニアから高校生のユースまでが練習する与野八王子グラウンドの脇には、浦和のエンブレムが入った2階建ての施設があった。 正式名称は与野八王子研修棟。室内練習場のほか、食事をとるスペースなどを兼ね備える。「以前は雨のときでも、リハビリの選手は寒い中、外でやっていた。この環境ができたことで快適」。施設の一部を利用し始めている浦和ユース所属の高校3年、中上遥登(はると)さんはいう。 今回のプロジェクトの背景には、クラブの積年の思いがある。 与野八王子グラウンドは浦和の育成組織の子どもたちが長年、練習場として使ってきた。小学生時代から浦和で育ってきた鈴木にとっても、なじみの場所だ。 ただ、以前は平屋建てのプレハブ小屋しかなく、子どもたちが外で着替えていたこともあったという。 「アカデミー(育成組織)はクラブの未来。何とかできないか、と考えていた」と浦和の須藤伸樹・アカデミー本部長は語る。 浦和の育成組織で育った鈴木が、ベルギー・シントトロイデンやイタリア・パルマに移籍した際に発生し、クラブが得た移籍金は数億円単位にのぼる。今回は、この移籍金の一部を活用した。 須藤さんは鈴木本人と連絡をとって、意向も聞いた。「アカデミーがよくなることが、彼の希望でもあった。彩艶は筋力トレーニングが好きだったので、『筋トレ場はつけてほしい』というリクエストはありました」 選手が着替えられるロッカールームやシャワー室も作った。グラウンドの一般の利用客も使えるよう、雨が降ったときの避難場所となるテラスや会議室もある。 「移籍金を子どもたちのための施設に投資することは、未来の選手たちにとっても大きい」と須藤さんは言う。 浦和では、2018年W杯ロシア大会にも出場した原口元気の移籍金で、総合型スポーツ拠点である「レッズランド」の施設を改修した。その姿を見ていた鈴木はクラブ在籍時、ルヴァン杯のニューヒーロー賞の賞金を使って、後輩たちにFK練習用の壁を寄付してくれたことがあった。 同じく海外移籍を果たした関根貴大らも同様の取り組みをしている。自らが育った場所の環境を良くし、後輩たちに還元する。実際、「彩艶ハウス」を利用するユースの選手たちからは「次は俺が建てます」といった声があがっているという。 浦和の育成組織出身者のW杯メンバー選出は原口以来、2人目。小学生年代のジュニアを立ち上げ、その1期生だった鈴木が日本代表に名を連ねたことも須藤さんにとっては感慨深いという。 「『サッカーの街・浦和』と呼ばれていることもある。彩艶の次、どんどん日本を代表する選手を育てていきたい」。彼が育った原点からW杯での活躍を心待ちにしている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人照屋健スポーツ部専門・関心分野サッカー、五輪関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする