能登の大空、希望のはばたき 石川・羽咋でトキ放鳥、住民ら見守る2026年6月1日 11時00分森岡みづほ 杜宇萱 鈴木渉印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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能登の里山に、国の特別天然記念物・トキが56年ぶりに舞った。5月31日に石川県羽咋市で行われた、本州では初となるトキの放鳥式を、地元住民ら約500人が見守った。 特設会場では放鳥箱が開き、トキが空に舞い上がるたび「きれい」「日の丸みたいや」などと歓声があがった。 羽咋市の清水常治さん(73)と裕子さん(65)は、式典開始の2時間前から訪れ、最前列で放鳥を見守った。空を舞うトキを見て、裕子さんは「きれいだった」と声を弾ませた。能登半島地震で清水さんが勤めていた羽咋市の会社の社屋は倒壊し、廃業。清水さんは職を失った。 裕子さんは輪島市出身。輪島市に暮らす兄の家は全壊し、今は仮設住宅で暮らしている。建物の解体が続く輪島市を歩くたび、故郷の景色が一変したと感じるという。「まだまだ地震の傷は残っているから、トキの放鳥のような明るいニュースはうれしくなります」 七尾市の看護師・樋詰真樹さん(53)は、地震で自宅が半壊。勤務先の輪島市の訪問看護施設は被災し、廃業した。今は七尾市の別の施設に勤めるが、輪島市の施設の入居者のことが気がかりだ。「地震があっても、トキを放鳥できる豊かな土壌が能登にはある。能登の底力を感じてがんばろうと思った」と語った。 家族3人で式に参加した羽咋市の中村元樹さん(13)は「小学校時代から学校でトキの勉強をし、佐渡の小学生とも交流してきた。春から通う中学校でもトキのラインスタンプを作る予定です」などと、話した。 「鳥や動物が好き」という、金沢市の宮田裕美さん(42)は、夫と娘・沙希さんと一緒に放鳥観覧へ応募。「動物園では飛んでいるトキは見られない。羽根がきれいなところが好き」と、話していた。 愛知県から早朝7時に自宅を出て、車で駆けつけたのが能登真一さん(78)。佐渡のトキを追いかけているうち、トキのファンになったという。「営巣するようなことがあれば、何度も能登に来ることになると思う」。 国内で生まれた野生のトキは、1970年に石川県穴水町で保護された1羽が、本州最後のトキとされている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人森岡みづほ大阪社会部|災害担当専門・関心分野人の暮らし、国際報道、ジェンダー杜宇萱金沢総局専門・関心分野災害、労働、写真・映像印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







