原発事故の津島訴訟、原告団が和解案提出へ 除染での原状回復求める2026年5月31日 20時58分大月規義印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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東京電力福島第一原発事故で帰還困難区域に指定された福島県浪江町津島地区の住民が、国と東電を相手に地域の原状回復などを求めた「津島訴訟」で、原告団が5月31日、同県二本松市で総会を開いた。仙台高裁で10月16日に予定されている控訴審判決を前に、原告として和解案を仙台高裁や国、東電に提出する案が承認された。国の社会的責任のもとで津島地区を除染し、年間の被曝(ひばく)量を1ミリシーベルト以下に下げることが柱だ。6月中に提出するという。 600人超の原告を抱える津島訴訟は、3月9日に仙台高裁(石垣陽介裁判長)で結審した。その際、高裁は原告、被告の双方に「和解を勧告する」と告げた。しかし、具体的な和解内容は示されなかったため、原告団として先行して提案することにしたという。 総会では和解案についてのやり取りは報道陣に非公開とされた。終了後に報道各社の取材に応じた原告団の今野秀則団長と大塚正之弁護士は、承認された和解案が①原発事故後に国が目標に掲げた「年1ミリシーベルト以下の被曝量」を除染によって実現、②除染や復興のため住民の意見を聞く場を国が設置――などになると説明した。 原発事故に対する国の法的責任は、最高裁が2022年に否定しており、今野団長は「原状回復の実現には和解というかたちで臨むのが最適」とした。さらに「総会では、裁判の長期化に耐えられないという意見が非常に多かった」と説明。裁判で東電と争っていると、損害賠償のお金が受け取れないという苦しい立場にも言及した。 国が和解案に応じるかは未知数だが、原告は、原発事故の除染に関する特別措置法で、「国の社会的責任」が明記されていることを強調する考えだ。 帰還困難区域の除染は、かつて集落だった「特定復興再生拠点」か、帰還の意思を示した「特定帰還居住区域」に限定され、それ以外は放置されている。除染の対象にならない山林が多い津島地区は、放射線量が高い場所が多く残っている。原発事故をめぐる津島訴訟の経緯2011年3月 東京電力福島第一原発事故が発生 13年4月 浪江町内の避難指示が放射線量ごとに再編。津島地区は放射線量が最も高い「帰還困難区域」に 15年9月 住民が福島地裁郡山支部に提訴 21年7月 同支部が国と東電の責任を認め、原告634人に計約10億4千万円の支払いを命じる。原状回復の訴えは退ける 22年6月 四つの原発訴訟で最高裁は国の責任を認めず 23年3月 津島地区の中心部を「特定復興再生拠点」として避難指示を解除。面積は地区全体の1.6% 26年3月 津島訴訟の控訴審が仙台高裁で結審有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする