インタビュー科博館長になった「恐竜博士」 地球史から見る世界と「稼げ」の号令聞き手・黒沢大陸印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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国立科学博物館の新しい館長に4月、「恐竜博士」で知られる真鍋真さんが就任した。折しも政府が打ち出した方針によって「稼ぐ博物館・美術館」の圧力が強まる今、博物館の存在意義やありようをどう考えるのか。そして、恐竜を始めとする生物が興亡を重ねてきた地球史から見える、今の世界の姿とは。「博物館は日常にあってほしい」 ――科博は剝製(はくせい)に化石、物理など見どころ満載で、修学旅行で初めて来た時、友だちと駆け足で回ったのを思い出します。 「博物館や美術館は、何かを知り、自由に学ぶ場所だと思います。非日常な場なのですが、日常でもあってほしい。自分の好きなものに出会う、気づくという場所でもあるからです」 「米国に留学していた時、学生たちがよく博物館に行くことに驚きました。トイレを借りたり、カフェでコーヒーを飲んだり、ショップで友人の誕生プレゼントを買ったり、そのついでに展示を少し見る。私自身は博物館に行くと、がっちり見ることしかやってこなかったので、まねしたら楽しくてしょうがない。目玉展示でなくても、お気に入りの展示の前に5分間だけ行ってみるとか、毎回違うものを一つ見るとか、気持ちを整える感じです。1日いても展示は見尽くせませんから、欲張らずに行くようになりました」 「ああ、そうだったのか!と何かが分かることって達成感があってうれしいですよね。例えば科博の展示にあるパンダの手の指。第6の指や第7の指があるのは驚きでしょう。餌の竹をつかみやすい形です。見知らぬ人からの発見もあります。自分だけなら通り過ぎる展示物に人が集まっていたり、難しそうなものを小さい子が一生懸命見ていたりすると気になりますよね。そこから漏れ聞こえる会話からも気づきの機会が得られます。特別展「和食」では、お雑煮の餅の形やダシの違いで、居合わせた人たちが盛り上がっているのを見かけました」 「展示を見て、こんなことがおもしろいのかと、忙しい生活ではやり過ごしている自分自身を発見する場が博物館や美術館です。単細胞生物にひかれることもあるかもしれません。子どもも大人も高齢者も、驚くような発見や気づきが山ほど起きる場所なので、もっと来ていただきたいです」数値ばかりを追いかけて、見えなくなるもの ――ただ、入館料が高いと気軽に立ち寄れません。政府は今年、国立博物館・美術館に展示事業に係る自己収入比率を上げるよう求め、結果次第で「再編」するとしました。 「まず前提としてお話しすると、動物や植物、化石などの標本・資料は、誰かが保存しなければいつの間にか世の中から消えてしまいます。それを整理し、研究して、研究成果とともに次世代につなぐと同時に、その人材やノウハウ、情熱も含めて継承するのが、博物館などの役割です」 「そのなかで『稼ぐ』ことに…この記事は有料記事です。残り3816文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人黒沢大陸論説委員専門・関心分野災害、科学、環境、エネルギー、交通関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







