深掘り「トイレで母乳を流した」 職場の搾乳室、必要と言い出せない空気永野真奈印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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「授乳に我慢は必要ですか」① 授乳期の幼い子どもを育て、胸の張りを感じつつ復職する母親は少なくない。母乳が胸にたまると、高熱に苦しむ乳腺炎になることもあり、母乳を自分でしぼって出す「搾乳(さくにゅう)室」の導入を進める企業がある。一方で、社会での認知度は低く、搾乳の必要性を女性が訴えづらい環境があると専門家は指摘する。 復職シーズンの春、胸の張りを抱えながら職場で胸が痛くなっても、我慢。お出かけ先で授乳室がなくても、我慢。授乳をめぐる環境は、当事者の我慢で成り立っていませんか。 トイレで搾乳をして、母乳はそのまま流した――。東京の世田谷区役所は昨年末から来庁者向けの授乳室で、職員が搾乳できるようにした。きっかけは、昨年2月の区議会での議員質問だった。 「痛みを我慢しながら昼休みに駆け込むようにトイレに入り、搾乳機で搾乳していました」 「どうしたらいいのか分からず、人に聞くことも恥ずかしくてできず、一人になれる場所がほかになく」 「焦りながら、息をひそめて、なぜかいつも悪いことをしているような感覚でした」 「もし環境が整っていたら、(授乳を続けることを)諦めなくて済んだのかもしれません」 質疑で、搾乳室がなく苦労した女性職員の訴えが紹介され、区が設置に向けて動き出した。搾乳スペース、65%が「必要」 冷凍庫も 区は昨年春、過去4年間に育児休業から復職した女性職員を対象にアンケートを行った。回答した155人のうち、21%が「勤務時間中に搾乳が必要になった経験がある」と回答。65%が搾乳スペースの必要性を訴えた。 また、約8割が「搾乳の必要なタイミングは日によって変わる」と回答したため、1日90分の「育児時間」を柔軟に使えるように、事前申請制から事後申請でも認めるようにした。 本庁舎の東棟、西棟に計4カ所ある授乳室には「搾乳にもご利用いただけます。(職員も利用させていただきます)」と新たに表示。4月からは搾乳した母乳を安全に保存できるよう、鍵付きの冷凍庫を使えるようにした。 「もし私の時にあったら使っただろうなあ」。3人の子どもを持つ50代の女性職員はつぶやく。 2人目までは1年以上の育休…この記事は有料記事です。残り1652文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人永野真奈東京社会部|ジェンダー担当専門・関心分野ジェンダー、子ども、性暴力関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






