「戻り苗」がつなぐ森と企業 大水害体験した和歌山の起業家の願い松村北斗印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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「戻り苗」と名付けた事業に取り組むベンチャー企業がある。里山で拾い集めたどんぐりを企業や個人に育ててもらい、2年後に苗を元の山に植える。災害で失われる命を少しでもなくすため、山と企業を結びつけたい。そんな思いが代表の奥川季花(おくがわときか)さん(30)の原動力になっている。 奥川さんは和歌山県那智勝浦町で生まれ育った。高校1年生の時、紀伊半島大水害に見舞われる。台風12号による記録的豪雨で、各地で大規模な土砂災害や川の氾濫(はんらん)が起こり、死者・行方不明者は98人にのぼった。奥川さんは被害を免れたが自宅の玄関の前まで水が迫り、友人を亡くした。 大学に進み、地元に役立つことをしたい、とくに災害対策に取り組みたいという思いが強まった。図書館に通い、災害関連の資料を読みあさるなかで、森林と土砂災害についての1冊がとくに心に残る。「山をきちんと保全することで災害リスクや被害を減らせる」。進む道を思い定めた。 山に足を運び、林業家のもとでインターンを経験。担い手不足や、資金が乏しく、放置された山林が多いことを知った。補助金と違う、使いみちに制約がないお金を、林業以外でいかに山に持ってくるかが鍵となる。それをビジネスにできないか……。 社会問題解決をめざしている起業家育成の会社への就職をへて、高校や大学の仲間と「ソマノベース」を設立、2021年に和歌山県田辺市を拠点にして株式会社とした。 同時に「戻り苗」の事業を始めた。「日本には昔、子どもが生まれたら(タンスの素材などに使われる)桐(きり)の木を植える風習があった。そこから苗木を育てて贈るというアイデアにつながった」。ネーミングは仲間たちで考え、友人が発案した。 「戻り苗」は育った苗を山に…この記事は有料記事です。残り1722文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






