コラム・寄稿「当事者」にはなれない…それでもペンを握る理由 再実感した出会い2026年5月28日 11時00分横浜総局・遠藤花 2024年入社 事件・司法担当印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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初任地の広島に配属されて1年が経とうとしていた昨年3月、同世代の活動家に出会った。 会社員をしながら、「核政策を知りたい広島若者有権者の会」共同代表を務める田中美穂さん(31)だ。国会議員や選挙の候補者に核政策への考えを尋ね、発表する活動を続けている。 北九州市出身で、元々は広島と縁もゆかりもなかったという彼女に、聞きたいことがあった。「『当事者』でないことに、悩むことはありますか」 記者自身が、「当事者ではない」立場に戸惑った経験があったからだ。親に虐待された女性の取材で「そういう目に遭っていない人は、苦労してないってすぐ分かる」と言われ、言葉に詰まった。 田中さんの答えは、こうだった。「私も遠藤さんも、みんなある意味では当事者だと思うよ」 どういうことだろうか。 田中さんは仕事で広島に引っ越した2年目の2018年、カナダ在住の被爆者・サーロー節子さんの講演を聞いた。「平和を祈るだけでは世界は変わらない」という言葉に突き動かされ、活動を始める。 核や被爆者の問題に目を向けてこなかった田中さんは、活動を続ける中で気づいた。「苦しんでいる人が声を上げるだけでは、社会は変わらない」ことに。 「不条理を見過ごす社会は、いつか自分も苦しむかもしれない社会だからね」 田中さんの言葉は胸にすっと落ちた。記者は「当事者」にはなれない。それでも、自分たちの社会の不条理を見過ごさないために、ペンを握り続けたい。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人遠藤花横浜総局|事件・司法担当専門・関心分野事件・事故、司法、子ども関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






