コラム・寄稿アルプス席で声枯らした夏を原点に 今度はペンで球児の背中押したい2026年6月27日 10時00分千葉総局・武田百花 2025年入社 県警担当印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
[PR]
8年前の夏、私は甲子園のアルプス席に立っていた。記者ではなく、母校の野球部を応援するチアとして。 そんな私を、ある記者が記事にしてくれた。一つの文章で、高校生活をかけて打ち込んだ日々が報われた気がした。 「私も、自分で書く記事で誰かの背中を押したい」。それが出発点だった。 昨年、千葉総局に配属された。160校以上が競い合う千葉で、選手や高校野球を支える人たち一人ひとりの物語を聞いた。 取材を重ねるうち、輝く舞台の裏にある現実を知った。 先日、昨夏取材した選手に約1年ぶりに会った。見違えるほど体が大きくなっていた。でも2度の大けがで1年間試合に出られなかったという。「夏しか見ていない」。目に涙を浮かべて語った言葉が、胸に残った。 背景を知れば知るほど、伝えたいと強く思う。でも人生の大切な一コマを私は伝えきれるのか。夏を前に不安が膨らみ、ペンは進まなくなった。 行き詰まったある日、あの記者の言葉を思い出した。「私の夢をかなえてくれたのは武田さんです」 人の思いや努力を残したくて記者になり、取材相手である私がそれを実現してくれたと言われたことがよみがえった。 記者になって1年あまり。振り返れば、取材相手に力をもらってばかりだ。時間を割いて話を聞かせてもらい、その生き方に元気づけられて記事を書いてきた。「寝る前に『俺なら絶対できる』とつぶやくとうまくいきますよ」。仕事で悩む私にそう教えてくれた選手もいる。 これまで書いた記事で誰かの背中を押せたか。あまり自信はない。それでも出会った人の数だけ伝えたい物語がある。 もうすぐ夏が来る。多くの選手と支える人たちにとって、野球人生の節目になるはずだ。記事を読み、過ごした日々を思い出したとき、少しでも笑顔になれるように。今度はペンで応援したい。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録
関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






