パーソナルトレーナー「安全確保の仕組みづくりを」消費者事故調2026年5月27日 18時00分井上道夫印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は27日、スポーツジムなどでのパーソナルトレーニングで利用者がけがをする事故が起きていることを受け、安全確保に向けた仕組み作りを求める報告書をまとめた。経済産業省を通じて業界団体に促す。「パーソナルジムでけが」トレーナー側の法的責任、裁判所の判断は? 消費者事故調は、パーソナルトレーニングについて「個人(利用者)の健康状態や運動能力などに応じ、トレーナーが運動プログラムを定め、その指導の下で運動を実施するサービス」と定義づけている。健康の維持や筋力アップ、ダイエット目的などで利用する人が多く、近年は店舗数が増えているという。 パーソナルトレーニングの普及に伴い、利用者がけがをする事故も起きている。消費者庁と国民生活センターが共有している事故情報データバンクに登録された事故件数は増加傾向で、2019~25年までに計196件。けがの程度は治療に「1カ月以上」を要するものが最も多く、全体の41%を占めた。部位別では腰・股関節が30%で最も多く、ひざ・足(下半身)の22%が続いた。年代別では40代(51件)、30代(37件)、50代(32件)の順。 トレーナーの中には、運動生理学などの知識が問われる日本や米国の民間団体の資格を取得しているトレーナーもいるが、パーソナルトレーニングを提供する上で必要な国家資格はない。トレーニング内容の質に関しては、ジムやトレーナー個々の資質によるところが大きいのが現状だ。負荷かけすぎたと思ったこと「ある」 トレーナーの44% 消費者事故調は24年、トレーナー(回答数582人)にアンケートを実施。「所属する施設(店舗)では、パーソナルトレーニングに関する業務フローやマニュアルがあるか」と尋ねたところ、「ない」「わからない」と回答した人の割合が30%に及んだ。「資格取得時や、その後の研修会などで、トレーニングに関わる安全管理について学びましたか」という問いには、10%の回答者が「いいえ」と答えている。また、「トレーニングを行う際、後で振り返ると少し負荷をかけすぎた、と思ったことはあるか」との問いに「たまにある」と答えたトレーナーの割合は42%で、「頻繁にある」を加えると44%に上っている。 同じく24年に行われた利用者(回答数1336人)に対するアンケートでは、「トレーナーからの動作や負荷の指示に対し、無理だ、と感じることはあるか」との問いに、「たまにある」と答えた人の割合は27%で、「頻繁にある」を合わせると32%に達している。「その場合、どのように対応したか」との問いには、43%の人が「申し出てやめた」と答えた一方で、16%の人が「がまんして続けた」と答えている。 こうした状況を受けて消費者事故調は、事故原因について「適切でない運動が修正、または中止されないまま実施されることにより発生していると考えられる」と指摘。安全確保に向け、トレーナーに共通して求められる知識・技術・経験▽トレーナーの確認漏れ、危険性の過小評価などのミスを防止するための手順▽利用者がトレーナーに自分の考えや状態を伝えやすくする環境作りの手順――といった基準を作った上で、トレーナーを育成・管理することが必要としている。不安や違和感の訴えがあったら、安全を最優先 また、事故防止のために「ただちに行うべき対応」として、関係省庁に対し、以下の点をトレーナー側に周知することを求めている。利用者から不安や違和感の訴えがあった場合、安全を最優先させる対応をとること▽トレーニングの初回から数回目は低い強度の運動から始め、正しいフォームの習得や負荷になれることを目的とした指導・助言をすること――など。 利用者側にも、無理のない低めの負荷から始めることや、気になることを伝える、不安が残る運動はいったんやめる――ことなどの重要性を伝えることが必要としている。 消費者事故調は各分野の専門家らで構成され、命にかかわる身の回りの事故について原因などを調べ、関係省庁に安全対策について提言する。これまでにエレベーター事故や、ベランダからの子どもの転落事故などが調査対象になっている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人井上道夫くらし科学医療部|消費者庁担当専門・関心分野消費者問題関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする















