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今夏に大阪中之島美術館(大阪市北区)で開かれる「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」(8月21日~9月27日)。タイトルになったヨハネス・フェルメールの代表作以外にも、オランダ・マウリッツハイス美術館が所蔵する17世紀オランダの名品が来日する。展示される全12点の写真と共に、注目作を紹介する。「真珠の耳飾りの少女」数奇な運命と謎ヨハネス・フェルメール「ディアナとニンフたち」 フェルメールの初期作。狩猟の女神ディアナと、彼女に仕えるニンフ(精霊)の1人が足を洗っている場面を描いている。 かつて、右上の背景には青空が描かれていた。マウリッツハイス美術館のユーディト・ニーセン学芸員によると、近年の調査で青空は後世の加筆で、本来は夜の場面であることがわかったという。現在は修復によって暗い色に塗り直している。 また、19世紀末まではレンブラントの弟子ニコラース・マースの署名が施されていた。これは19世紀にフェルメールが「再発見」されるまで、マースの方が美術界での評価が高かったため、偽造されたと考えられている。「フェルメール以前のフェルメール」読み解く 最初期作品に偽の署名パウルス・ポッテル「水に映る牛」 ポッテルはわずか28歳で死去した画家だが、動物、とくに牛などの家畜を描いたことで知られる。画業初期の本作について、ニーセン学芸員は「水面に立つ牛たちの描写の細部が途中で描きかえられるなど、構図を模索した跡がある」という。「泳ぐ人々や美しい木々、まさにオランダらしい夏の日の情景が描かれています」フランス・ハルス「男の肖像」 ハルスは肖像画で名声を得た画家だ。 この作品で注目すべきは男性の顔だけではない。存在感たっぷりの帽子や、襟元にあしらわれたレースの描写の細かさ。黒い上着は、しわや光のあたり方で微妙に色調が変化している。縦24.7センチ、横19.7センチと小さい作品だが、細部まで丁寧に描き込まれている。レンブラント・ファン・レイン「笑う男」 レンブラント最初期の作品。特定の人を描いたものではなく、顔の表現などを研究するために描かれた「トローニー」と呼ばれる人物画だ。ニーセン学芸員によると、表情だけでなく、光が当たったときに肌の色調がどのように見えるのかを重視して描かれているという。 さらに特徴的なのは、金箔(きんぱく)で覆った銅板の上に描かれている点だ。絵の具を引っかくようにして描くことで、下の金箔を露出させ、独特の輝きを生み出している。ヘラルト・テル・ボルフ「揺りかごの傍らで縫物をする女」 テル・ボルフは、一時期フェルメールの故郷デルフトに滞在していた。フェルメールの結婚にまつわる公文書にサインが残されていたことから、2人は面識があったとされている。 ニーセン学芸員によると、この作品はフェルメールのパトロンであったマリア・デ・クナイトとピーテル・ファン・ライフェン夫妻が所有していた可能性がある。「2人の作品が並んで見られるのは、17世紀当時の様子を再現しているようで感慨深い」と話す。マリア・ファン・オーステルウェイク「装飾的な壺の花」 今回来日するなかで唯一の女性画家による作品。「美術史研究の中で見過ごされてきた女性画家の1人」と、ニーセン学芸員は指摘する。17世紀当時は高く評価され、欧州各地の王室が彼女の作品を所有していた。 太陽に向かって咲き、神の存在を象徴するヒマワリや、闇に結びつけられるケシ、左下に置かれたビーナス像のふたなど、絵にはキリスト教的なメッセージが込められている可能性が高いという。セイザル・ファン・エーフェルディンヘン「正直者を探すディオゲネス(ある家族の寓意的肖像画)」ヤン・ダーフィッツゾーン・デ・ヘーム「宝石箱と花のある豪華な静物」ピーテル・ラストマン「ラザロの復活」ヤン・ステーン「老いが歌えば若きが笛吹く」エマヌエル・デ・ウィッテ「想像のカトリック聖堂の内部」ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」【解説人語】フェルメール 真珠の少女が大阪に 最後の展覧会か!?