インタビュー聞き手・池田伸壹印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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「米国の敗北」を論じた前回のインタビューから1年。エマニュエル・トッドさんの分析を裏づけるように、世界は混迷の度を深めている。独自の視点で世界を見つめる人類学者が東京で指摘したのは、米国という「帝国」の暴走と、日本が陥っている「空想のナショナリズム」の危うさだった。 ――イスラエルと米国によるイランへの攻撃で、世界に影響が出ています。 「歴史家として、大きな構図から考えたいと思います。今回のイランでの戦争は、米国がすでに喫している『二つの巨大な敗北』に続くものです」 「第一の敗北は、昨年2月のインタビューであなたに話した、ウクライナにおけるロシアに対する米国の事実上の敗北です。製造業が衰えた米国は、支援するウクライナに十分な武器や弾薬を提供できず、米国の産業システムが大規模な戦争を支えられない事実が露呈しました」【昨年2月のインタビュー】トッド氏が語る「米国の敗北」 世界史の転換点で日本に大切なのは 「第二の敗北は、その後で明らかになった、さらに重要な中国に対する敗北です。トランプ米大統領は関税で中国を威嚇しましたが、中国がレアアースの禁輸で脅し返すと、すぐに撤退を余儀なくされました」 「したがって、彼の現在の行動のすべては、これら重要な敗北から目をそらし、自らも忘れるためのものだと考えると理解できます」 ――昨年秋の前回来日の際、朝日地球会議ではベネズエラ攻撃の可能性も示唆していましたが、実際に起きてしまいました。 「そうです。イスラエルと米国によるイランへの攻撃も、同じように始まりました。しかしイランが崩壊せず、事態は収拾がつかなくなり、米国にとって『三つ目の巨大な敗北』になるかもしれません」 ――米国のイラン攻撃は、世界をどこに導くのでしょう。 「この戦争の根本には、こち…この記事は有料記事です。残り2763文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする