インタビュークルーズ船で注目ハンタウイルス コロナとの違いは?専門家に聞いた千葉恵理子 編集委員・武田耕太印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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クルーズ船での集団感染で注目を浴びているハンタウイルス。どのようなウイルスで、どのようなことに気をつけたらいいのか。長年、ハンタウイルスを研究してきた、北海道大学大学院獣医学研究院の苅和(かりわ)宏明特任教授(公衆衛生学)に聞いた。「南北アメリカ大陸」「ユーラシア」の二つのタイプ ――ハンタウイルスにはどんな特徴がありますか? ハンタウイルスはネズミなどの齧歯(げっし)類の一部が持っているウイルスです。脂質二重膜(エンベロープ)の表面に糖たんぱく質が出ていて、その糖たんぱく質が細胞表面にあるレセプター(受け皿)にくっついて細胞の中に入って感染する。コロナウイルスと同じく、アルコールや界面活性剤で不活化できるウイルスです。 人に病原性のあるハンタウイルスは、大きく分けると「南北アメリカ大陸に分布しているタイプ」と「アジア・ヨーロッパ・ロシアに分布しているユーラシアタイプ」があり、それぞれ引き起こす病気が違います。 南北アメリカタイプのウイルスが引き起こすのはハンタウイルス肺症候群(HPS)。今回問題になっているアンデスウイルスもその一つです。ユーラシアタイプのウイルスが引き起こすのは腎症候性出血熱(HFRS)といいます。 HPSは感染してから発症するまでの潜伏期間にだいぶばらつきがあります。10日ほどで症状が出る人もいれば、40日ほどかかる人もいる。インフルエンザのように高熱が出て、重症化した場合、呼吸困難に陥る。急激な肺水腫を起こし、心臓の状態が悪くなりショック状態になる。感染力は高くありませんが、死亡率は40%程度といわれる病気です。抗ウイルス薬やワクチンはなく、治療法は対症療法になります。 一方、HFRSを引き起こすユーラシアタイプにはドブネズミなどが媒介するソウルウイルスなどがあり、腎機能障害を引き起こします。ヒトからヒトへの感染(ヒトヒト感染)はないと考えられています。日本では1980年代まで実験動物のラットから感染した例などがありましたが、現在は報告例はありません。アンデスウイルスが引き起こす肺症候群 ワクチンや特効薬はなく ――どのような感染経路がありますか? ウイルスを持つ齧歯類にかまれたり、糞尿(ふんにょう)が混ざったほこりを吸い込んだりして感染します。 今回は乗船前にアンデスウイルスに感染した人から、船内でヒトヒト感染が起きたと考えられます。ハンタウイルスはヒトヒト感染が起こらないのが基本ですが、アンデスウイルスだけは、ヒトからヒトへの感染が起こることで知られていて、これがほかのハンタウイルスと違うところです。 ヒトヒト感染ですが、ある程度近い距離にいた人、濃厚な接触をした人が感染すると考えられます。感染力は高くなく、そのため新型コロナウイルスのような世界的なパンデミックが起きるとはちょっと考えにくい。 ――濃厚な接触というのは? 家族内とか、ある程度の時間、同じ輸送機関、たとえば車や飛行機、船のような閉鎖的な空間に一緒にいたことなどが考えられます。クルーズ船で確認、ハンタウイルスとは ヒト・ヒト感染は限定的 ――私たちが気をつけるべきことはなんでしょうか? 話題になっているアンデスウ…この記事は有料記事です。残り1051文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人千葉恵理子くらし科学医療部専門・関心分野医療、ジェンダー、文化武田耕太編集委員専門・関心分野医療・健康、こども政策関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする










