女性、植民地…個人の経験から問う近代 千葉の歴博で常設展示を刷新平賀拓史印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
[PR]
自分とどう関わるか 国内最大級の歴史系博物館、国立歴史民俗博物館(歴博、千葉県佐倉市)で、「近代」を扱う常設展示室が3月にリニューアルした。大きな「歴史」ではなく、様々な立場の個人の視点をベースにした展示から、訪れた人が「自分と歴史がどう関わるか」を考えてほしいという。 丸いちゃぶ台の周りに火鉢やガラス棚が置かれた畳の部屋。一家だんらんの声が聞こえてきそうな、戦前の住宅を再現している。ちゃぶ台には一枚のすごろくが置かれている。明治後期に婦人雑誌の付録として作られた「二十四時家庭双六(すごろく)」だ。歴博所蔵史料の複製で、間近で見ることができる。 午前5時の「開門」から午後10時の「上(あが)り おやすみなさい」まで32マスあるすごろくは、当時の都市で子育てをする若い主婦の1日を描く。詳しい説明が書かれているわけではないが、描かれている和やかな日常の中に、今日の視点から見て気づくことがある。32マスのうち、夫が登場するのは出勤や帰宅など5マスのみ。炊飯や買い物、裁縫といった家事はほぼ主人公の主婦が手がけている。ストーリーではなく多元的な問いへ 「これで遊んだ子どもたちは、『私も将来はこうなるのかな』と考えたかもしれないですよね」と、リニューアルにかかわった歴博の大串潤児教授(日本現代史)が話す。「他にも、ちゃぶ台にはどんな食事が並んでいたのか、その食材はどこから来たのか。そうやって問いが広がっていく」 開室から33年を経てのリニューアルとなる。これまでの企画展や最新の研究成果をもとに、「〈国民〉の誕生」「近代化する人びとのくらしと仕事」「〈帝国〉日本の社会と人びと」という三つの柱で、展示を再編した。 明治以降に進んだ「国民化」…この記事は有料記事です。残り507文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人平賀拓史文化部|論壇担当専門・関心分野論壇、社会思想、歴史学、ヨーロッパなど関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







