コトリ会議の山本正典(右)と劇団員で制作者の若旦那家康。互いに「辞めるな」と励まし合って演劇を続けてきたという=2026年4月23日、大阪市北区、富岡万葉撮影

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兵庫県を拠点に活動する劇団、コトリ会議が新作「この上のない下水筒」を上演する。他者との関係を取り戻すことを通して、効率化された社会で失われつつある「良心」を探求する物語。「効率的じゃない演劇にぴったりの作品」と言う作家の山本正典が描く「善い人」とは――。 ある男の通夜が行われている。昔、中学の「ゴミ拾い部」の活動を「偽善者」とののしられて、言い返した彼だ。集まった元部員たちは中学時代を忘れている。彼と自分たちを思い出す、長い夜が始まった。 山本は「おかえりなさせませんなさい」(2024年)が第69回岸田國士戯曲賞の最終候補になり、注目を集めた。日常から距離を置くことで客観視を促すSF設定を得意とするが、今作の舞台は私たちと地続きの現代に据えた。「善い人が書きたくて」と、理由を明かす。「善い人」とは、どんな存在? コロナ下の苦境を経て、その…