2026年5月20日 16時35分宮田裕介印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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スポーツ中継のあり方を検討する国の有識者会議が20日、初会合を開いた。今年3月の野球の国・地域対抗戦WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で地上波放送がなかったことをめぐり議論が噴出。人気のスポーツ大会を誰もが無料で見られるようにすべきだとする「ユニバーサルアクセス」という考え方にも注目が集まっており、テレビ各局は議論の行方を注目している。WBCで議論になったユニバーサルアクセス どんな制度?海外は? NHKの井上樹彦会長はこの日午後の定例会見で、「NHKとしても、国民的なスポーツイベントを誰もが見られる機会をつくるということは重要な役割だと思っている。一方、受信料という財源の制約もある中で、高騰している放送権を何が何でも取得するわけにはいかない。その中で、どうしたら両立できるかを模索していかなければいけない」と話した。 また、「一つのアイデアとして、配信事業者と競合、競争するだけではなく、配信事業者との連携も含めた新たな提供の形を模索するといったことも解決策としてあり得るのではないか」とも述べた。 今年のWBCでは、米動画配信大手Netflix(ネットフリックス)が日本国内で全試合の独占配信権を獲得。日本が参加したWBCで初めて、地上波での中継がなかった。 TBSの龍宝正峰社長は3月の会見で、WBCについて視聴者から「苦情に近いお怒りの意見」を受けたとし、「我々の知らないところで権利交渉が進み、結果として期待に応えられなかったことは忸怩(じくじ)たる思い」と振り返った。その上で、「スポーツの持続的な成長に放送局は貢献してきたし、今後もできると思っている。我々としてはしっかりと大会にタッチできる状況でいたい」と述べた。 ユニバーサルアクセスについては「様々な意見が出ているのは把握している。オリンピックとしてはありなのではないかと思う。やるとしても日本独自のやり方を研究し、議論していくことになると思う」との見解を示した。 テレビ東京の吉次弘志社長は4月の会見で、「国民的関心の高いコンテンツを無料放送で届けたい思いはある」と述べる一方、スポーツ大会の放映権料は高騰しており「営利企業なので、経済合理性とのバランスは考えざるを得ない」と語った。ユニバーサルアクセスについては「個人的な意見」としつつ、「(海外の取り組みを)よく研究した方がいいかなとは思う。(放送局への)一律の義務付けという形になってしまうと、ちょっとどうかなと。個別企業の経営判断の余地を残したようなユニバーサルアクセス権みたいなものが実現可能なのかどうか。議論を注視したい」と述べた。 テレビ朝日の西新社長も4月の会見で、「先行するイギリスや韓国などの事例をよく研究して、多角的な視点で検討する必要があると思う」などと話した。 民放各局の間には様々な見方があるようだ。 ある幹部は「国が(放映権の)費用を負担するわけではないだろうし、数字(視聴率)が見込めないものまで放送する形になるのは難しい」と指摘する。 一方、別の幹部は「ユニバーサルアクセスの制度があれば、知らない間に、配信事業者の独占配信が決まるような状況を防ぐような抑止効果が期待できるのではないか」と期待を寄せる。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人宮田裕介文化部|メディア担当専門・関心分野メディア、放送行政、NHK関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする








