権力に利用される「戦争」という言葉 国際政治学者の科学的な定義は聞き手・花房吾早子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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■国際政治学者 多湖淳さんに聞く 攻撃、衝突、戦闘……。国際社会での軍事的な争いを、私たちは様々に表現し、理解しようとします。ただ、「戦争」と呼ぶかをめぐっては、慎重な姿勢も見られます。ロシアによるウクライナ侵攻や、米国とイスラエルによるイランへの先制攻撃は、「戦争」ではないのか。呼び方は、犠牲者の数や紛争の主体によっても変わるのか。そもそも「戦争」とは何なのか。国際政治学者、哲学者の見方を上下2回で紹介します。まず、国際政治学者、多湖淳さんに聞きました。年間死者数で見る「戦争」 政治指導者が使う「戦争」という言葉の背景には、意図や価値観が見え隠れします。 ロシアのプーチン大統領は2022年2月に始めたウクライナへの全面侵攻を「war」(戦争)ではなく、「special military operation」(特別軍事作戦)と言ってきました。 国連憲章2条4項は、国家による「武力行使」を禁止しています。例外として51条で、武力攻撃を受けた国が自衛のためにとる措置を認めています。 ただ、この自衛権の行使は、国連安全保障理事会への報告が必要で、安保理が必要な措置をとるまでに限られます。 プーチン氏の主張によれば、ウクライナへの侵攻は51条に定められた自衛権の行使であり、禁止されている「戦争」には当たらない。だから、国際法に違反していない、正当な行為だと言いたいのでしょう。【後編】強き者は「正義」、弱き者は「尊厳」を語る 意味がすれ違う「戦争」 でも、私たち政治学者の間では「戦争」を「戦闘に関連した死者数が1年間で1千人を超えた状態」とする考え方が一般的です。学術的に合意がとれている数値です。 1千人に満たない状態は「武力衝突」「紛争」などと表現し、衝突が起こる前は「危機」としています。 そうした定義をする代表的な…この記事は有料記事です。残り1019文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人花房吾早子ヨーロッパ総局員|EUやNATOなど専門・関心分野戦争、核兵器、ジェンダー、LGBTQ+関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







