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核不拡散条約(NPT)の再検討会議が4月27日から米ニューヨークの国連本部で始まりました。核をめぐる国際情勢が厳しさを増すなか、どのような議論が展開されるのか。会議の動きや、現地に赴いた広島・長崎の被爆者たちの動きを随時更新してお伝えします。(日付は現地時間)【そもそも解説】核不拡散条約(NPT)ってなに? 再検討会議とは■■■18日の動き■■■「意見の一致、このペースでは無理」 最終週、「成果文書」へ議論難航 核不拡散条約(NPT)の再検討会議は18日午前(日本時間18日夜)、約4週間の会期の最終週が始まった。22日の閉会を控え、締約国が共通認識を確認する「成果文書」の表現をめぐって詰めの議論が続く見通しだが、難航しそうだ。 前週までの議論を踏まえ、2度目の改訂を施した草案が17日夜に配布された。 18日には、前文19項目、本文93項目からなる草案の表現について各国が意見を述べたが、議論できたのは、前文と本文第1~14のみだった。 議長を務めるベトナムのビエット国連大使は、各国がそれぞれの立場を述べることに終始し、妥協点を探ろうとする姿勢が見えない、と指摘。「みなさんは当初、コンセンサス(意見の一致)への決意を語っていたはずだが、今日の様子からは見られない。今のペースでは無理だ」と苦言を呈した。 残り4日の議論に向けて「単純に立場の表明を繰り返すだけではなく、意見の一致を得ようとする提案が必要だ」と強く呼びかけた。 日本からは英利アルフィヤ外務政務官が出席した。依然として大きな課題や見解の違いがあるとした上で「我々の共通の使命は『核兵器のない世界』に向けたコミットメントを世界に示すことだ」と呼びかけた。 英利氏の出席は「NPT体制の維持強化に向け、外交努力に万全を期す」(外務省)狙いがあるという。前回2022年の会議では、武井俊輔・外務副大臣(当時)が最終週の5日間、出席した。 一方、アラブ首長国連邦(UAE)は、17日に同国西部のバラカ原子力発電所周辺にある発電機にドローン(無人機)が当たり、火災が起きた事案を取り上げ、攻撃を非難した。攻撃の主体はわかっていないが、UAEは成果文書に、この攻撃への非難や、平和目的の核施設を守る必要性を盛り込むことも求めた。■■■6日の動き■■■最初の草案、イランの核施設への攻撃「深い懸念」 米ニューヨークで開かれている核不拡散条約(NPT)の再検討会議で6日、会期中の採択を目指す成果文書の最初の草案が各国に配布された。「核戦争に勝者はなく、決してその戦いはしてはならない」といった基本的な考え方を再確認する一方、イランにある核施設への攻撃に対する「深い懸念」を示すなど、最新の世界情勢にも言及している。 ただ、この草案は「出発点」(議長のビエット・ベトナム国連大使)の位置づけだ。22日までの会期で協議と修正を重ねながら、様々な形で対立する各国が受け入れられる妥協点を探っていくことになる。 草案は全13ページ。冒頭で、冷戦下の1985年にあった米国とソビエト連邦の首脳会談の共同声明などで知られる「核戦争に勝者はない」との言葉を引き、核兵器の使用は人類に破滅的な結果を生むとも指摘。国連憲章を含む国際法を守る必要性や、過去の会議での合意の有効性など、基礎的な内容を再確認するとした。 イランの核開発への懸念については、外交的解決への支援を表明し、国際原子力機関(IAEA)の保障措置の完全な履行が必要不可欠だと強調した。一方、同国にある核施設への攻撃をめぐっては、回避のための「最大の抑制」を呼びかけた。イラン攻撃なぜ起きた? 終結へ交渉の行方は? 知っておきたい要点 22年の前回会議でロシアが反発し不採択につながったウクライナをめぐる記述では、同国内の核施設や核物質の安全に対する「深刻な懸念」を示した。 また、核保有国の核兵器を、非保有国などに配備して共同運用する「核共有」の新たな取り決めが確立される可能性に、懸念を表明した。米ロには、今年2月に失効した両国間の核軍縮の枠組み「新戦略兵器削減条約(新START)」の後継への交渉を呼びかけた。 成果文書の採択は、加盟各国が、内容を共通認識として確認する意味合いがある。直近の2回の会議で不採択が続き、核保有国が核戦力を増強するなど、NPTに逆行する動きも相次ぐだけに、今回も採択ができなければNPTがますます形骸化する、との懸念がある。【今回の再検討会議の5つのポイント】■■■5日の動き■■■ウクライナ「ロシアのミサイルから放射性物質検出」 再検討会議で5日(日本時間6日未明)、ウクライナが「ウクライナへの攻撃に使われたロシアのミサイルや無人機(ドローン)から、放射性物質が検出された」と明らかにした。詳細は今後公表するとしつつ、国際社会による早急な対応が必要だと訴えた。 ウクライナの代表の説明によると、4月に北部チェルニヒウ州と北東部スーミ州で回収された無人機やミサイルの残骸を調べたところ、通常よりも高い放射線量が検知された。現時点でミサイルの部品からウラン235とウラン238が検出されたとしている。ウクライナ侵攻から4年 ロシアが望む「停戦」は「日本占領型」か ウクライナは、環境汚染や健康への影響が強く懸念され「放射線の安全や環境保護の国際規範を損なうもの」と批判。「国際社会による早急な注目と対応が必要だ」と訴えた。 発言は、NPTの3本柱の一つである「核不拡散」に特化して議論する委員会で行われた。再検討会議は22日まで続く。■■■1日の動き■■■米国「中国が核実験」と改めて主張 1日(日本時間2日午前)、核軍縮に特化した委員会で議論が行われ、米国が「中国が2020年6月に核実験を行い、隠匿しようとした」と改めて主張した。小さな爆発を伴う実験を互いに検知できる態勢を、核保有国間でとるべきだとした。 これに対し、中国は「根拠がない主張だ」と否定した。 中国が核実験をしたとの主張…