2026年5月17日 11時05分熊井洋美印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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希少がんの肉腫の一つ、後腹膜脂肪肉腫の患者である東京都の吉崎有希絵さん(40)が、同じ肉腫の患者と家族の声を集めた冊子を作った。自身も含めて総勢87人の率直な思いが記されている。今後の医療や研究、ケアのために役立ててほしいとの願いを込めた。「もう治療がない」告げられた40歳 希少がん、私らしく生きる選択 冊子のタイトルは、「Voices from Sarcoma Patients and Families~87人の視点からみるサルコーマの景色~」。病の告知から治療と生活、終末期の思いや困りごとについて、60以上の設問を作ってネット上でアンケートし、回答をまとめた。患者71人と16人の家族が回答を寄せた。世代も子どもから70代まで幅広い。 肉腫は、骨や筋肉、脂肪や神経、血管などをつくる細胞にできる極めてまれながんで、がん全体に占める発生の割合は1%ほどとされる。 手足や鼻、子宮など様々な部位に発生するのが特徴で、組織型などを細かく分類すると、50種類以上のタイプがあるともいわれる。 症例が少なく、全国の「がん診療連携拠点病院」でも、対応できる病院は限られる。「患者と医療者の対話が生まれれば」 吉崎さん自身は、10年前に診断され、手術を繰り返しながら肉腫と向き合ってきた。「この病院でこれ以上できる治療はありません」と当時の主治医に告げられた後にも、腫瘍(しゅよう)を減らす手術をしてくれる医師と出会い、術後は自分が願った暮らしができている。 冊子を作るきっかけは、術後、学会で患者と医療者がともに語り合うシンポジウムに登壇を依頼されたことだった。 発表では自分の困りごとを語ったが、「自身は、多くの患者の声を代表できる立場でもないし、代弁をするべきでもない」と考え、「声を聞かせてくれた患者と家族、それぞれの視点を伝え、そこから新たに患者と医療者の対話が生まれれば」と、昨年末から取り組んだ。 吉崎さんは、肉腫患者の「終末期の知見」を蓄積する仕組みが欲しいと、痛切に感じている。最後となる治療が終わってから、肉腫の患者がどのような困りごとを経験し、息をひきとるまでどのような経過をたどり、どんな対応が受けられるのか。症例が少ない病だからこそ、肉腫をよく知る医療者からもっと教えて欲しいと感じているという。 冊子には、「第二の患者」である家族に対しても医師や看護師からの助言が欲しいという声や、診断時から緩和ケアを受けられることをもっと周知して欲しいという声、経過観察に入った患者の長期追跡調査を求める声もつづられている。 冊子は、肉腫に関係のある医療関係者や研究者、製薬企業を対象に無料配布予定。問い合わせは吉崎さん(yoshizakiyukie@gmail.com)へ。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする








