生体腎移植の葛藤と希望を語り合う 患者・家族・医師はそれぞれに編集委員・武田耕太印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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生体腎移植にまつわる悩みや、もやもやについて語り合う、連載「患者を生きる」の座談会を4月19日、朝日新聞東京本社で開きました。家族に腎臓を提供したドナーや、提供を受けたレシピエントなど、それぞれの立場から思いが語られました。移植と透析、それぞれにメリットとデメリット 「患者を生きる」では、2024年5月に夫(62)から、腎臓の生体移植を受けたナオコさん(66)の事例を昨年7月、紹介した。 座談会には、ナオコさん、夫のほかに、手術を担当した横浜市立大学付属市民総合医療センター医師の高本大路さん(41)が出席し、読者4人とともに、それぞれの経験や思いを語り合った。【関連記事】朝食時、夫はさらっと「僕の腎臓あげるよ」 生体移植した夫婦の笑顔 最初に、高本さんが生体腎移植について説明した。腎臓はいったん機能が低下すると、回復は難しい。その腎臓の機能を代替する治療として、血液透析、腹膜透析、移植の三つの選択肢があり、日本では9割が血液透析を選択しているという。 移植は、生体移植が多くを占める。脳死や死後の提供が少ないためで、近年は免疫抑制剤の開発の進歩によって、親子間だけでなく、もとは他人である夫婦間の生体移植も増えている。 高本さんは、移植によって腎機能が回復し、食事や生活上の制限が減り、将来の妊娠・出産も可能になるなどの利点があると指摘。一方で、拒絶反応や感染症にかかりやすくなるなどのリスクがある。さらに免疫抑制剤の服用は一生必要になる点についても説明した。 またドナーとなる健康な人の体にメスを入れることになり、心理面も含めた継続的なフォローが不可欠だと話した。移植から10年の生着率は80%ほどと向上している。 事前に読者から寄せられた「80代でも移植は可能か?」との質問に対し、高本さんは「少なくとも私はおすすめはしない。年齢が上がってくると、血管や臓器の状態も踏まえて移植のリスクは上がる」と答えた。 座談会に参加した70代の男性は、医師から将来的な透析や移植の可能性を告げられているといい、「自覚症状はなく数値だけが悪化している状況にある。いつ、どんな治療が必要になるのか。将来の見通しが立ちにくく不安は大きい」と話した。 高本さんは、透析と移植のいずれにもメリットとデメリットはあるとしたうえで、「医師に遠慮せず、まずは相談することから始めてほしい」と助言した。ドナーとレシピエント、本当の気持ちは? 「患者を生きる」で連載を掲…この記事は有料記事です。残り1048文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人武田耕太編集委員専門・関心分野医療・健康、こども政策関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする