2026年9月10日 6時00分丹治翔印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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1868年の開港以来、多彩な異国文化が花開いた神戸。洋家具もその一つです。外国人の家具修理に船大工の技術が生かされ、歴史がスタートしました。1942年創業の三上工作所(神戸市)では、入社7年になる山本凌平さん(25)が腕を磨いています。修業2年、基本動作を習得 量産品ではなく、企業や個人のオーダーメイドで、椅子や机などの家具、内装を手がける三上工作所。船舶家具づくりで培った堅牢で重厚な仕上げは、洋家具へ移行後も根強い支持を集める。 社内にいる職人は9人。4月に新人2人が入るまで、山本さんは最若手だった。 落語家の桂天吾さんが「入社後はどんな仕事から始まったんですか?」と尋ねると、「物づくりが好きだったので、家具をすぐに作れると思っていたが、木にまっすぐ穴を開けるだけでも難しかった」と山本さん。「プロとアマの違いを思い知り、まずは道具をしっかり使えるように修業しました」と新人時代を振り返った。桂天吾さんのプロフィール1996年生まれ。神戸市出身。関西学院大を卒業後、桂南天に弟子入り。落語以外にもさくらFM(兵庫県西宮市)での番組「桂天吾のてんごすなっ!」や2026年度のJPX(日本取引所グループ)OSAKAのアンバサダーを務めるなど、多方面で活動中。 ノミで木にまっすぐな穴を開けたり、カンナで薄く削ったり。先輩の仕事を手伝いながら、基本動作を2年以上繰り返し、技術を身に付けていったという。天吾さんは「落語家もひたすら着物をたたんだり、掃除したりの修業時代が3年ほどあります」とうなずいた。 落語にもカンナをかけたり、金づちでたたいたりする所作が登場する。山本さんによると、カンナを金づちでたたくのは刃の出具合を調整するためだという。 「出過ぎても、引っ込み過ぎてもうまく木を削れない。ちょうど良いあんばいを探すんです」と説明すると、天吾さんは「職人さんの気持ちが分かって、僕の芸にも深みが出そうです」と作業を見守った。「物づくりが好き」が原動力 修業期間を経た山本さんは、家具製作技能士1級の資格を取得し、現在は物置台や銀行のパーティションなどの製作を手がける。すべてオーダーメイドなので、完成後は職人たちが依頼主の元へ届ける。「実際に設置する時に、感謝の言葉をいただけるのがうれしい瞬間です」 子どもの頃から木を切って机やブランコをつくったり、友達と秘密基地をつくったりして育った。進路選択で何をしたいか考えた時に、料理人である父親からの「手に職をつけなさい」という言葉もあり、伝統工芸などの職人をめざすなかで三上工作所の門をたたいた。「仕事が忙しいと『つらいな』と感じることもありますが、物づくりがやっぱり好きなので、今も続けられています」と話す。 家具の定番でもある机や椅子の製作は難易度が高いため、山本さんはまだ一から担当したことがない。「色々な商品を任せてもらえるよう、さらに技術を高めたい」と意気込む。 「培った技術で、全国の職人が家具づくりの精度や美しさなどを時間内で競う大会『技能グランプリ』にも挑戦したいです」職人のプロフィール やまもと・りょうへい 2001年徳島県生まれ。高校卒業後の19年、三上工作所に入社。先輩職人と組み、オーダーメイドの家具製作に励む。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






