2026年8月31日 17時50分柳沼広幸印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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大手コンビニエンスストアのローソンは、人口が少ない地域でも既存の商店を活用して出店する新たな取り組みを始めた。新業態の1号店となる「にっこり商店 with(ウィズ) LAWSON」が、31日に宮城県石巻市北上町にオープンした。過疎化が進む地域では待望のコンビニで、開店前から長い行列ができた。 店は、地元の水産卸会社「カネキ水産」の直売所「にっこり商店」の施設を活用することで、出店コストを通常のコンビニの3分の1に抑えた。 商圏の人口が少ないため、商品数は通常店舗の約3500品目の半分以下となる約1千品目とかなり絞り込んでいる。雑誌やATMなどがない。それでも、弁当やおにぎり、デザート、飲み物、酒、たばこなどを取り扱い、ローソンの看板商品である「からあげクン」も販売する。カネキ水産の水産加工品も引き続き店頭に並ぶ。 スイーツや「からあげクン」を購入した漁師(35)は「コンビニはすごくうれしい。何か足りないものがあってもすぐ買い物ができる」。これまでは約15キロ先のコンビニやスーパーで買い物をしてきたという。 コンビニ経営に乗り出したカネキ水産の佐藤慶浩(よしひろ)社長(50)は「みんなが待ってたんだな」と、買い物客の行列を見て感じた。念願のコンビニだが「自分がやるとは思っていなかった」。住民の期待を感じ「ここは1号店。全国のモデルになれるようにしたい」と持続的な経営を目指す。 石巻市北上町は、北上川の河口部と太平洋に面し、2011年3月の東日本大震災の津波で甚大な被害に遭った。震災前の人口約3900人は激減し、現在は1900人(今年7月)。同地区で初めてのコンビニが立つ地域も被災地だ。近くには市の総合支所や小中学校、郵便局、復興住宅などがあり、地区の拠点エリアになっている。人口が少なく、通常のコンビニでは採算を確保するのは困難で、出店は難しいとされてきた。 ローソンは2023年から、スーパーの跡地やコンビニ未出店の地域で、自治体や地元企業などと連携して出店する「地域共生コンビニ」に取り組み、秋田県や鳥取県などで計16店舗を展開してきた。 今回の「with LAWSON」も地域共生コンビニの一環で、出店・運営コストを大幅に抑えることで、過疎地などでも買い物の場を提供する新たなモデルになる。今後、1号店の動向などを検証しながら、今年度中に関東で2店舗の開店を目指している。 ローソンの高橋忠男・執行役員開発本部長(62)は「地域密着型の新しいローソン。寄り添って末永く運営していきたい」。買い物が不便な地域は中山間地や離島など全国にある。「喜んでいただける店を1店でも出していきたい」という。 「にっこり商店 with LAWSON」の営業は朝7時から夜7時まで。年中無休。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません