深掘り八回の攻防、平常心を保った智弁和歌山 魔曲に惑わされた健大高崎2026年8月22日 18時10分室田賢 仲程雄平印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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(22日、第108回全国高校野球選手権大会決勝 智弁和歌山4―3健大高崎) 八回表、逆転2ランで試合をひっくり返した健大高崎へ、球場のムードは明らかに傾いた。 六回から無失点投球を続けていた2年生左腕・北田莉玖は拳を握り、思った。「この流れで勝つ」。直後の守り。気を緩めたつもりはない。ただ、「厳しく、厳しく」と意識しすぎた。指がボールに引っかかり、先頭に死球を与えた。 対照的だったのは、春夏通算45度の甲子園出場を誇る智弁和歌山の選手たちだ。打席の楠本龍生は、劣勢もどこ吹く風。「観客は全員、うちが負けると思っていたとはず。でも、地方大会からこんな展開は何度も経験してきた」 バントが2球、ファウルになっても関係ない。「もっときつい試合もあった。全然いけるやろ」。低めをすくって中前へ。次打者の犠打で1死二、三塁に好機は広がった。 流れが変わり始める。打席に入った川原一将は初球、スクイズを試みるもファウル。相手捕手の負傷で試合が中断する間、仲間からは「緊張しすぎや」と声をかけられた。 「引きずらずに切り替えられた」と川原。再開後、もう一度スクイズ。投前に絶妙に転がし、犠打野選を誘って同点に追いついた。 〝魔曲〟とも呼ばれるアルプス席の「ジョックロック」のボリュームがさらに上がる。 「智弁さんの応援に気を取られてしまった」とは、なお1死一、三塁から継投した健大高崎の3番手・石田翔大だ。直球のサインに、スライダーを投じてしまう。外角に大きくそれた暴投が、決勝点につながった。 夏の頂点を決める大舞台で、平常心を保ったのは智弁和歌山だった。わずかな心の揺れが、勝敗を染め分けた。「魂のこもったバント」松本虎太郎、監督の言葉を支えに ベンチから見つめた智弁和歌山・中谷仁監督を、会心の犠打でこううならせた。 「逆転まで見えた、魂のこもった素晴らしいバントだった」 1点を追う八回無死一、二塁、松本虎太郎は代打で打席へ。ベンチからのサインは「送りバント」。初球、高めの直球を投前に転がす。1死二、三塁とし、逆転劇を演出した。 終盤の勝負どころ。4万4700人の視線が一点に集まる。そんな打席でも、越えてきた起伏を思えば勇気が湧いた。 1年夏から甲子園に出場してきたが、この春、あまりの不調ぶりに「主将をやめたい」と監督に自ら申し出た。「一番思いが強いのは虎太郎」と背中を押され、踏みとどまった。 6月末には腰の手術を受け、和歌山大会では先発を外れた。監督の言葉がやっぱり支えだった。「虎太郎が優勝旗を持っている姿、想像しているから」 この日の1打席は「監督と心の中で会話できていた」。優勝旗を手に、思わず笑みがこぼれた。「ここまでやり続けてきてよかった」健大高崎のペースだった決勝、ポイントは八回裏の攻撃 高嶋仁の目有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人室田賢スポーツ部|高校野球担当専門・関心分野スポーツ、社会仲程雄平スポーツ部専門・関心分野消防職員の現場活動関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






