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「SNSで誹謗(ひぼう)中傷を投稿してしまった」「ポルノ画像を転送してしまった」……。子どもたちも使っているインターネットやSNS。トラブルに直面している現状もあり、つい利用を制限したくなってしまう親もいるのではないでしょうか。子どものSNS相談に関わる弁護士の上沼紫野(うえぬま・しの)さんに、ネットへの向き合い方について聞きました。【特集】子供とスマホ問題ネット関係の相談が増加「自撮りの画像を送ってしまった」「SNSで誹謗中傷を投稿してしまって『訴える』と言われている」第二東京弁護士会が2021年から運営する「弁護士子どもSNS相談(LINEアカウント<SNS相談@第二東京弁護士会>)」には、そんなネットにまつわる相談が増えています。2022年度に185件(13%)だったネット関係の相談は、2025年度には334件(17%)に上りました。上沼さんは「『自分がやってしまった』という相談が多く寄せられます。相談してくる子どもは、親に知られたくない、親に言ったら怒られると感じているようです」と話します。自撮り画像を送ってしまったケースでは、学校名が分かる制服を着ていたり、画像を送った後に脅されたりしたそうです。相談窓口には、親世代には経験のないようなインターネットにまつわる内容も届きます。「児童ポルノ画像をおもしろ半分で転送してしまったけど捕まりますか?」「ゲームのアカウントを売ったけどお金を払ってもらえない・利用規約に違反してしまった」「情報開示請求されているが、謝りたくてもSNSがブロックされて謝ることもできない」……。ネット関係の相談では「リピーター」が多いことが特徴だそうです。上沼さんは「例えば、火曜日に相談してきた子が、木曜日にも同じ内容で相談してきます。担当者が違えば、『あなたがしたことは絶対大丈夫』と言ってくれるんじゃないかと期待しているのだと思います」と説明します。低年齢化するスマホ所有2025年度の「弁護士子どもSNS相談」全体利用者は、属性が分かっているものでは小学生9%、中学生18%、高校生15%だといいます。小学生の相談は、2022年度の97件から177件に増えているそうです。NTTドコモのモバイル社会研究所が、小中学生とその親を対象に2025年11月に行った全国調査によると、小学5年生でのスマホ所有率は50%を超え、中学3年生では89%でした。スマホを持ち始める年齢は、2019年の11.3歳から2025年には10.1歳に低下。男子よりも女子のほうが早く持たせる傾向にあるそうです。スマホが普及し、SNSでのトラブルが増えていることから、世界では年齢による規制が議論されています。オーストラリアやイギリスなど、16歳未満の主要なSNSの利用を法律で禁止する国も出てきました。一方、総務省の有識者会議がまとめた報告書案では、SNS利用に一律の年齢制限は望ましくないとしています。【ルール作りの注意点も】子どものスマホデビューで悩む人へ 「制限する前に大切なこと」子どものネット利用に対して、親は家庭でどのように対応したらいいのでしょうか。上沼さんは「使わないように制限したくなる気持ちはよくわかりますが、子どもは制限されると隠れて使おうとします」と指摘します。「いかに親にばれないように賢く使うかという方向に行くので、お子さんにどこまで使わせてもいいかは考えないといけません。危険から遠ざけて安心するのは大人だけです」子どもが隠れて使った結果、トラブルに遭っても親に相談しにくいという悪循環が生まれるそうです。「ネットを使う範囲は実世界で交流する範囲にそろえることが重要だと私たちは考えています。小学校低学年だったら家庭内でネットを使ったやりとりを覚えていき、徐々にクラス、学校という形で、現実の交際範囲に広げていくことが大切です」ルールより大切な信頼関係の構築また、上沼さんは家庭での声かけが重要だと話します。「使ってはいけないのであればその説明をひとこと伝えるだけで違います。その上で、子どもが使いたい理由を聞いて話し合いが必要だと思います」ルールをつくる場合には、「親も守れるルール」にすることが大切だといいます。「例えば、親から『1時間だけスマホを使っていい』と言われたのに、親の気分が変わって1時間経つ前に『早く勉強しなさい』と言われてしまうと、子どもはルールを守る気持ちがなくなってしまいます」ただ、ルール作りよりも大切なのは「親との信頼関係の構築」です。「親がきちんと自分のことを考えてくれているという信頼感を子どもに持ってもらう」ことがいざというときのトラブル回避につながると話します。一方で、AI(人工知能)を相談相手にする子どもたちも増えています。しかし、上沼さんは「AIはユーザーにおもねるように設計されている」と危険性を指摘します。「AIは非常に便利ですが、ユーザーが望む方向に誘導してしまいます。寄り添ってくれるので心地のよい存在ですが、まだ判断できない子どもがそれに慣れてしまうのは問題です。AIは自分の話を聞いてくれるけど、親には怒られるとなってしまったら、ますます親を頼らなくなります」上沼さんは、ネットやSNSを使う子どもに対して、親には言えなかったとしても、「大人に相談することは覚えていてほしい」と話します。「親でも学校の先生でもない、近すぎない相談窓口が必要なのだと思います。信頼できる相談窓口を使ってほしいです」 ◇ ◇ ◇第二東京弁護士会が運営する「弁護士子どもSNS相談」では、LINEを通じて相談を無料で受け付けています。受付時間は、毎週火曜・木曜・日曜の午後7時から午後9時まで。内容は友だちや家族のこと、勉強やお金の悩み、不安に思っていることなど幅広く相談できるそうです。LINEのアカウントは「SNS相談@第二東京弁護士会」(@256fxird)。 ◇「子どもと制限」ゲームやスマホの利用時間は、どのように決めていますか? 子どもの希望に対し、条件や制限を設けていますか?多様な選択肢のある現代、大人は子どもの選択をどう守り、どう尊重したらいいのでしょうか。一緒に考えてみませんか。ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel