ストーリー加藤美帆印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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連載「津久井から」③ 7月中旬、津久井やまゆり園(相模原市)の入所者の畠山宏英さん(54)はエプロンを着け、市役所で「売り子」をしていた。 市内の障害者作業所などで作られた菓子や雑貨の販売会。客が来ると、職員に促されながら菓子を両手に持ち、相手に見えるよう差し出していた。 園の外に出る「日中活動」の一場面だ。関連ページ やまゆり園事件 津久井やまゆり園事件から今年7月で10年。「意思疎通のできない障害者は不要」という植松死刑囚の差別的な考えに抗うように、言葉で伝えられない意思をくみ取ろうとする試行錯誤が各地で続いています。施設で起きていたことや改善を目指す取り組みをシリーズで伝えます。「津久井から」は全3回です。 午前の仕事を終え、職員らと一緒に近くの食堂へ。職員から「どれにしようか?」と聞かれると、壁に貼ってあるカレーとトンカツの写真を指さした。職員は「両方食べられるカツカレーにしようか」。 続いて畠山さんは「アスコヒ」と何度も声をあげた。席に座ってカツカレーを平らげ、アイスコーヒーも飲み干した。 19人の入所者が元職員に殺害された事件の後、園が本腰を入れて取り組む「意思決定支援」。メニューから食べたいものを決めて伝える行為、売り子の体験、いずれもその一環だという。 畠山さんは、普段の平日は毎朝、園から車で20分ほどの日中活動支援センター「そよかぜ」に通う。「みんなの今やりたいことをかなえたい」を目指し、外出や地域との交流に力を入れる拠点だ。 ランチに外食したり、地域の人を招いて七夕まつりを開いたり。畑で育てた大豆でみそを仕込み、同じ畑の野菜を入れたみそ汁を作るなど、いろいろな体験の機会を設けている。 事件後に、園の入所者の意思…この記事は有料記事です。残り311文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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