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第65回大阪府吹奏楽コンクール(大阪府吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は15日、高校A部門が堺市堺区のフェニーチェ堺であった。28団体が出場し、審査の結果、8団体が府代表に選ばれた。30日に同会場で開かれる関西大会に出場する。 結果は次の通り。 【高校A】金賞=東海大大阪仰星、大阪桐蔭、清教学園、早稲田大阪、関西創価、近大付、明浄学院、浪速高・中(以上代表)、淀川工科、箕面自由学園▽銀賞=池田、豊中、精華、四條畷学園、常翔学園、大阪産業大付、プール学院中・高、金蘭千里中・高、大阪国際、北野、登美丘▽銅賞=履正社、北千里、大阪立命館中・高、大阪信愛学院中・高、あべの翔学、関西大第一高・中、夕陽丘中学生Aの結果はこちら ◇ きらめくサウンドで情景を色彩豊かに描いたり、感動的なドラマを音楽で表現したり。高校Aの部で奏でられる音楽には、高校生の熱い思いがこもっていた。池田 「不死鳥」を意味するフェニーチェ堺のホールに、不死鳥が飛び立つさまをありありと描いたのは、朝一番の舞台に立った池田。自由曲の「秘儀Ⅶ『不死鳥』」(西村朗作曲)で、細かなパッセージや断片的な音響を精緻(せいち)に積み上げることによって、立ち上るような立体的な音響を作りだした。結果は銀賞だった。豊中 豊中は、フランスの作曲家ドビュッシーをオマージュした「ラ・メール」(三澤慶作曲)で、様々に表情を変える海の情景を、躍動感がある明るいサウンドで奏でた。フルートとアルトサックスが対話するような掛け合いの美しさが光る演奏。銀賞を受けた。東海大大阪仰星 金賞を受け、府代表に選ばれた東海大大阪仰星は、淀川工科が長年の「十八番」にしてきた「大阪俗謡による幻想曲」(大栗裕作曲)を自由曲に選んだ。指揮をした顧問の藤本佳宏さんによると、淀工を長年指導し、この曲を大切にしてきた故・丸谷明夫さんへの敬意から、「全国大会で金賞を取らないうちはこの曲はやらない」と決めていたという。 昨年の全国大会で金賞に輝き、満を持して臨んだ曲。バンド全体の洗練された響きが、各楽器の表情や動きを際立たせる調和の取れた演奏で、祭りばやしの部分でも音を荒らすことなく奏でた。 部長でサックスの八田菜愛(やつだなお)さん(3年)は、「表現力が問われる曲。楽しく、関西っぽさ、お祭り感をどう出せるか考えてきました。緊張したり気持ちが高まったりすると速くなってしまう。今日の演奏はそれが課題で、次に向けて改善したいです」と振り返った。大阪桐蔭 大阪桐蔭も金賞で、府代表。ミュージカルを取り上げ、会場を極上のエンターテインメントの舞台に変えた。一人ひとりの表現力の高さを生かし、まるで「ライオン・キング」の映像が目に浮かぶような、ドラマチックな演奏を繰り広げ、大きな拍手を受けた。 副部長でクラリネットの山上愛永(まなえ)さん(3年)は「みんなが毎日の練習から楽しんでいる曲。コンクールでも、桐蔭らしい温かい音色で演奏できた」。部長でホルンの隅野愛梨さん(3年)も「みんなの顔を見ていて、心の底から楽しんで演奏できているなと思った」と充実した表情で語った。精華 精華の自由曲は、「長い年月がたつと、古い物に魂が宿る」という日本古来の伝承を題材にした「付喪神」(マッキー作曲)。重厚なサウンドながら、シンコペーションの利いたリズムを切れよく演奏。おどろおどろしくもどこかユーモラスさのある「お化け」の行進を、哀感を漂わせながら奏でて、銀賞を受けた。 部長でフルートの米本奈永さん(3年)は、「曲の意味を自分で調べたり、練習中にも先生から『だからこそ魂を込めなあかんねん』と言われたりしていた。今までで一番、魂を込めました」と話した。あべの翔学 あべの翔学は、課題曲Ⅰをさわやかな音色で、表情を込めてうたい上げた。自由曲の「ドラゴンの年」(スパーク作曲)では、中間のゆったりとした部分でのアルトサックスのソロの表情が秀逸。ホルンやユーフォニアムの表現力も光った。結果は銅賞だった。常翔学園 常翔学園は、銀賞を受賞。自由曲の「とこしえの声」(樽屋雅徳作曲)で、木管が神経を研ぎ澄ませてモチーフを美しく重ねていった。サックスが深い音でソロを奏で、クライマックスではバンド全体で奏でる音が、オルガンのように響いた。大阪産大付 大阪産大付は、「科戸の鵲巣」(中橋愛生作曲)の祝祭的な雰囲気を、金管のまっすぐな響きで輝かしく表現。打楽器群がつくり出す緻密(ちみつ)なリズムと音響にのって、ソロからつながっていったフレーズが、壮大な旋律となって舞い上がっていくようだった。結果は銀賞だった。淀川工科 淀川工科は、今年の課題曲に、マーチではなくⅠを選んだ。部員たちでメロディーに「この時を忘れない みんなで手をつないで」といった歌詞をつけ、歌に思いをのせた。自由曲の「交響曲第3番『四季連禱』」(長生淳作曲)でも、語るようにフレーズを大切に奏でた。特にフォルテから弱音に移ったときの旋律のうたい出しの美しさが際立っていた。結果は金賞だった。 部長でファゴットの筒井崇太さん(3年)は「音楽がこぢんまりしても面白くない。語りかけるように、聴く人の心にくる演奏を心がけた。きょうは楽しむことができたし、やりきった」と語った。清教学園 子どもを亡くしたことへの苦悩と、未来への希望を描いたバーンズの「交響曲第3番」を演奏した清教学園は、心にしみる旋律を表情豊かに演奏。金賞に輝き、府代表に選ばれた。早稲田大阪 マーチングでも優秀な成績を残している早稲田大阪は、課題曲Ⅲのマーチを、和音の出だしから美しく鳴らす心地よい演奏。正確なリズムとバランスの取れたサウンドが光った。自由曲の「ドラゴンの年」(スパーク作曲)でも、金管低音が粒のそろった動きを見せ、静かな部分でも荘重なハーモニーを響かせた。結果は金賞で、府代表に選ばれた。箕面自由学園 箕面自由学園は、「アルメニアン・ダンスパートⅡ」(リード作曲)を演奏。序奏からまっすぐな響きを聴かせた。熱狂的なダンスの部分でも、安定感を失わず、丁寧に奏でて、金賞に輝いた。 キャプテンでアルトクラリネットの蓮尾巴菜さん(3年)は「音楽記号、発音記号を忠実に表現しないと、アルメニアンダンスの血や筋肉躍る音楽を表現できないので、意識して練習してきた。120%、自分たちの音楽を出し切れた」と語った。関西創価 関西創価は、バンド全体の響きの豊かさが際立った。課題曲Ⅰでは、トランペットとトロンボーンがフレーズを閉じるところまで美しい和音を聴かせた。自由曲の「ワインダーク・シー」(マッキー作曲)では、速いスケールのパッセージの中に主題を浮かばせる表現が美しかった。金賞に輝き、府代表となった。プール学院中・高 プール学院中・高は、課題曲Ⅳを、安定感と迫力を兼ね備えた低音が荘重な雰囲気で表現。自由曲の「交響曲第1番『悪魔の聖書』」(デイビッド作曲)では、不協和音を濁らせることなく美しく展開させるさまに、息をのんだ。打楽器は、扉を開いて進んでいくように、新たな音響を次々と舞台上に繰り広げた。自信を持って響かせるソロも美しかった。 結果は銀賞。ピッコロを吹いた部長の小西心咲(みさ)さん(3年)は「今日の演奏は今までで最高でした。緊張していましたが、自由曲あたりからみんなと気持ちが合っているように感じて、いい演奏ができている、と思って吹きました」と振り返った。近大付 近大付は、自由曲「フラタニティ」(ドゥルルイエル作曲)の冒頭、ユーフォニアムのソロの美しい音色と豊かな響きで、客席を引き込んだ。進行していく和音のそれぞれが美しく、バンド全体でオルガン音楽を聴いているような響きとバランスが秀逸だった。曲が終わると、客席から「おお」という嘆息が漏れる会心の演奏。金賞に輝き、府代表に選ばれた。明浄学院 同じく金賞で府代表に選ばれた明浄学院は、3年前に全国大会出場したときの自由曲「紺碧の波濤」(長生淳作曲)を演奏。クラリネットを中心に、打ち寄せる波のようにフレーズを積み上げ、バンド全体が一つになったようなうねりを作りだした。イングリッシュホルンも深い音で、表情豊かにフルートとの掛け合いを奏でた。 コンサートミストレスでクラリネットの水野歩夢さん(3年)は「先生の情熱的な指揮を見て、気持ちをのせて吹きました」。イングリッシュホルンの木村優月さん(3年)は「部にははっちゃけた子が多いけど、みんなで大人な演奏を心がけ、きょうは落ち着いた一面を出せました」と話した。 部長でアルトサックスの井本結月さん(3年)は「先生から、『いつもいい音を出し、完璧に吹くプロになりきれ』と言われてきた。今日はなりきれたけど、全体的な表現力など、まだまだ行ける。全国に行った3年前の『紺碧の波濤』を超えられるよう、今年だけの一曲を作りたい」と決意を語った。登美丘、浪速高・中 最後の2校、登美丘と浪速高・中は、ともに「ロミオとジュリエット」を題材とした作品に臨んだ。 登美丘は、クラリネットとソプラノサックスが、表情豊かに旋律を奏でた。ホルンとクラリネットが、暗い影を落とすように入ってくる部分の表現は悲劇の結末を暗示させるようだった。結果は銀賞だった。 プロコフィエフ作曲のバレエ音楽「ロミオとジュリエット」を演奏した浪速高・中は、クラリネットが音の硬さや音色を吹き分けて、登場人物や場面の変化を巧みに表現していた。不協和音でも濁らずに美しい余韻を残した金管のサウンドも美しい演奏。金賞に輝き、府代表となった。






