ストーリー2026年8月14日 21時00分山下凜太朗印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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コンピューターグラフィックス(CG)ではない。浴衣姿の4人家族が笑顔で自撮りに納まる様子を描いた「第62回静岡夏まつり夜店市」のポスター。14日から静岡市で始まった祭りを彩るこの一枚は、実は手作りの立体ミニチュア人形を撮影して作られている。 制作したのは、「アトリエサンゴ」(静岡市)の川内祐司さん(57)と浜口ゆうりさん(56)。まず針金で芯を作り、その上に粘土を盛り付けて10センチほどの大きさの人形を仕上げる。 1体の制作に約8時間かかるが、最も時間を使うのはその前のデザイン画づくりだ。どんな構図にするか、どんな表情なら祭りの楽しさが伝わるか。何度も考えをめぐらすという。 見る人が感情移入できるよう、語りかけるような顔を意識する。川内さんは制作中、「笑顔を作っている時はあなたも笑顔、困った表情を作る時はあなたも困った顔になっている」とよく言われるという。「参加する人よ、楽しくあれ」 思い込めて ポスターは祭りを主催する静岡市中央商店街連合会から依頼を受けて制作した。川内さんたちは2008年に初めて担当して以来、コロナ禍で中止された年などを除き16回にわたり手がけてきた。「参加する人よ、楽しくあれ」という気持ちを込めて作っている。 連合会の藤林正勝さんによると、毎年配布するうちわにもポスターのキャラクターを使っており、歴代のうちわを集めるファンもいるという。自分の作品で人が喜んでくれる幸せ 立体人形作りの原点に 川内さんはもともと美大で油絵を学んだが、浜口さんが始めた粘土教室を手伝う中で立体づくりに魅せられ、01年ごろから専業になった。 印象に残る出来事がある。ある時、知人への誕生日プレゼントとして「似顔人形」を作ってほしいと依頼された。後日、人形を受け取った本人がとても喜んでいたとうれしそうに報告してくれた。 「自分の作品で喜んでくれる人を直接見たのは初めてで、すごく幸せだった」変わりゆく静岡 「カラフルになった」 毎年、ポスターのアイデアを練る時は街を歩く。「始めたころと比べると、街がカラフルになったと感じます」 看板や広告だけではない。「昔なら男性が化粧をしていると驚かれたかもしれないけれど、今はかっこいい、きれいだと思う。男性でスカートをはく人もいる。こんな格好をしてもいい、こんなことをしてもいいという社会になった」 最初の作品を作った08年は、商店街にまだ老舗が多く残り、街のイメージに合わせてあえてトーンを抑えた。今年の作品は違う。街にあふれる色彩をそのまま取り込み、明るく華やかに仕上げた。 16日まで開かれる夜店市は、静岡市中心部の商店街で半世紀以上続く夏祭り。昨年は約8万5千人が訪れた。62回目となる今年は、飲食店や商店街の店のワゴンセールなど約230店が参加しているという。 アトリエサンゴが手がけた歴代ポスターやミニチュアは16日まで「MIRAIEリアン コミュニティホール七間町」で展示されている。各日とも午後4時から9時。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません