編集委員・後藤洋平印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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美輪明宏さんの「悩みのるつぼ」 相談者たちは今(4)朝日新聞の人生相談企画「悩みのるつぼ」の回答者を長年務めてくださった美輪明宏さんが6月、亡くなりました。これまでの相談者に再度連絡を取り、「その後」を取材しました。 高校3年生の時、ゲイであることを親や友人に打ち明けるべきか、美輪明宏さんに相談した男性がいる。 相談は2017年9月、朝日新聞の週末別刷り「be」の人生相談「悩みのるつぼ」に掲載された。 大学進学を目指して受験勉強と部活動に励み、高校生活は充実していた。ただ、周囲には言えない大きな悩みがあった。女性よりも男性に魅力を感じる、ゲイであることだった。 ありのままの自分を理解してほしい。一方で、学校で知られれば、差別されたり、いじめられたりするかもしれない。信頼する友人にも、性的少数者に理解があると思われる両親にも打ち明けられずにいた。【当時の相談と美輪さんの回答】ゲイであることを告白すべきか このまま自分を隠して生きるべきなのか。誰かに思い切って話し、オープンに生きるべきなのか。男性は美輪さんに尋ねた。 回答は、「成人になるまで、あるいは大学生になるまで待ちなさい」というものだった。 高校生には、まだ他人への思いやりや分別が十分でない人もいる。笑い話の種にされたり、本人の意思に反して周囲へ言い広められたりする恐れがある。美輪さんは、慎重になるよう促した。 そのうえで美輪さんは、なぜ同性愛者だけが「カミングアウト」を求められるのかという、社会に対する疑問を投げかけた。異性愛者は、自分は異性が好きだと周囲に触れ回ることはほとんどない。それなのに、なぜ同性愛者は自らの性的指向を告白しなければならないのか。 「その認識から間違っているのです」 同性愛者も異性愛者も、さまざまな人間が共存する社会の中で生きている。誰に恥じることなく、胸を張って生きればよい。ただし、現時点では親にも、あえて自分から伝える必要はない。今は学校生活を優先し、学業に励みなさい。美輪さんは、そう答えた。 当時、男性は相談していること自体を家族に知られるのを恐れていた。編集を担当した私も連絡の仕方には神経を使い、掲載後に何度も連絡することは控えた。そのため、男性が実際に紙面を読んだのかどうかを、確認できないままになっていた。 それから9年近くが過ぎた今年7月、美輪さんが亡くなった後、改めて連絡を取った。 相談をどう受け止め、どのように判断し、その後をどう生きてきたのか。回答を読んでいなかった相談者 その後の人生で向き合ったこと 返事をくれた男性は現在26…この記事は有料記事です。残り1617文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






