願掛けの赤ボールペン、集大成の一打に心震えた 社の東田マネジャー2026年8月11日 19時37分橋本龍之介印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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(11日、第108回全国高校野球選手権大会2回戦 智弁和歌山2―1兵庫・社) 記録員としてベンチに入った社のマネジャー東田(とうだ)奈央さん(3年)は、スコアを挟むバインダーを二つ持っていた。 自チーム用と相手チーム用。相手チーム用は、3年生のもう1人のマネジャー、前田百梨奈(ゆりな)さんのものを借りた。 ベンチに入れるマネジャーは1人だけ。初戦の記録員に決まった時、前田さんのことを考えると素直に喜べなかった。 初戦に勝てば、次の3回戦は前田さんが記録員としてベンチに入れる。 「百梨奈と一緒にベンチにいるつもりで臨みたかった」 松下幸叶(ゆきと)主将(3年)からも「2人ともベンチに入れるように、絶対勝つ」と言われた。 スコアを記録する時には願掛けをしている。 押せば芯が出る多色ボールペンを使う。味方の攻撃時は、安打を記すのに使う赤の芯をあらかじめ出しておく。「打ってくれると信じているから」。相手が攻撃の時は芯は出さないでおくことにしている。 2点を追う七回裏、小倉臣斗(おみと)選手(3年)の適時打で1点をもぎ取った。赤で中越え二塁打を記した。 「この夏の集大成のような一打だった。打った瞬間、選手のみんなや百梨奈と頑張ってきた思い出が頭を駆けめぐった」 試合中はマネジャーに徹するため、冷静でいるよう心がけてきたが、思わず身を乗り出した。劣勢でも諦めず、粘り強く逆転を狙う社らしい一打に、心が震えた。 続くチャンス。スコアを書きながら「打って、打って」と叫んだ。「百梨奈の分まで祈った」。だが、あと一歩届かなかった。 中学時代、兄が社の選手として甲子園の土を踏んだことで、マネジャーを志した。その時にアルプス席から見た景色と、ベンチから見た景色はまるで違った。「この試合には、仲間と過ごしてきた2年半の野球部生活すべてが詰まっていた」有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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