2026年8月7日 8時38分サンフランシスコ=市野塊印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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自然界に存在しないウイルスをAI(人工知能)で設計し、実際に機能することを確認したと、米アーク研究所などのチームが6日付の米科学誌サイエンスで発表した。昨年9月に査読前論文として公表し、今回、正式に採択された。医療利用の可能性を広げるとともに、バイオテロのリスクを示す事例として受け止められている。AIが設計した「機能する」ウイルスの衝撃 悪用対策に抜け穴も チームは、専用のAIモデルに出力させたDNA配列の候補をもとに、細菌に感染するウイルス「ファージ」を設計した。ファージはDNAがたんぱく質の殻に包まれた単純なウイルスで、DNAの違いがその性質を決める。設計通りに合成したウイルスは、実際に大腸菌を死滅させることができた。 期待されるのは医療への利用だ。ファージは、抗生物質などの薬剤が効かなくなった「薬剤耐性菌」も攻撃できる。AIで設計した多様なファージを組み合わせることも可能だ。「安全に制御するガバナンスない」 一方、AIがバイオテロに使われる懸念も、現実味が増したことになる。 サイエンスが論文と同時に公開した解説記事で、米ジョンズ・ホプキンス大学健康安全保障センターのトーマス・イングレスビー教授らは「生命科学分野への応用が有望だが、同時に緊急のバイオセーフティーとバイオセキュリティーに関する問題も提起する。生成AIでウイルスゲノムを構成する能力はすでに存在するが、安全に制御するためのガバナンスは確立されていない」とした。 AIによるバイオテロの懸念については、すでに米AI企業から示されている。6月にはオープンAIのサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)やアンソロピックのダリオ・アモデイCEOらが、バイオセキュリティーの迅速な強化を米議会に求める書簡を出した。AIがウイルス学者を超える能力を持ち、「生物兵器」をつくるための障壁がなくなりつつあるとしていた。 論文はサイエンス誌のウェブサイトで公表されている(https://www.science.org/doi/10.1126/science.aec2657)。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人市野塊サンフランシスコ支局専門・関心分野気候変動・環境、医療、テクノロジー関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする