高校野球の優勝旗先端のペナント、時間との戦いで制作「失敗できぬ」2026年8月6日 6時00分丹治翔印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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夏の全国高校野球選手権大会優勝校に渡される深紅の大優勝旗。2018年に3代目を制作した京都市の旗店「平岡旗製造」は毎夏、各地方大会の優勝校名を記した冠頭綬(ペナント)を作っています。その作業を担っているのが、入社6年になる東優希さん(34)です。優勝校決定後に制作 地方大会の優勝旗の先端に付ける冠頭綬は、幅9センチ、長さ75センチ。生地は別の会社が複数校分をまとめて染め、東さんが裁断する。両側をミシンで縫い、上部にはひもを通す穴を開けた革を取り付けて仕立て上げる。 「甲子園の開会式で代表校の球児が持つ旗に付いているものですね」と、野球少年だった落語家の桂天吾さん。「きれいな縫い目」と丁寧な仕事ぶりに感心した。桂天吾さんのプロフィール1996年生まれ。神戸市出身。関西学院大を卒業後、桂南天に弟子入り。落語以外にもさくらFM(兵庫県西宮市)での番組「桂天吾のてんごすなっ!」や2026年度のJPX(日本取引所グループ)OSAKAのアンバサダーを務めるなど、多方面で活動中。 東さんによると、冠頭綬づくりは時間との戦いだという。「甲子園の開幕に間に合うように届けなければいけないのですが、優勝校が決まらないと作れない。地方大会の日程が遅い地域は納期ぎりぎりになることもあります」 締め切りが迫るなか、「失敗できない」プレッシャーで緊張しながらの作業になるという東さん。「完成した冠頭綬を付けた旗をテレビで見るとうれしいです」カバン職人から転職 冠頭綬以外に、前年優勝校が返還する大優勝旗のレプリカも手がける。縦70センチ、横200センチの生地を半分に折って重ね縫いする「あわせ仕立て」で、上下と右側の3辺にはフレンジと呼ばれる旗房を縫い付ける。フレンジを付けることで、華やかさや重厚感が出る。 一般的な旗では長方形の生地を縫うことが多い東さん。「変わった形を縫う時は頭を使います」 1887年に創業した平岡旗製造は、優勝旗のほか、校旗や社旗、祭りのはんてんやのぼり、トロフィーなど幅広い商品を扱う。生地の染めや刺繡(ししゅう)は社外の職人に依頼するが、最後の仕立ては社内に担当を置いてきた。 東さんは2020年にカバンの製造会社から転職した。天吾さんが理由を尋ねると、「違う仕事をしてみたかったんです」。ちょうど仕立ての担当者が不在だった平岡旗製造に、縫製の技術があることから職人として採用された。記念に残る責任 東さんは別の会社で事務職として働き、週に1度、作業場を訪れて旗の仕立てをしている。「自分のペースで作業に向き合えるので楽しいです。手先の器用さを生かせているので、続けたい」 作業場は地下にある。天吾さんが「1人での作業にストレスはないですか?」と問うと、「気分転換をしたくなったら、他の社員のいるフロアに散歩に出かけます。外にも出て日の光を浴びたらシャンとします」。 色々な職人の仕事を経て、東さんが縫製して完成させる旗の数々。「うれしい場面で出番の多い商品をつくれるのは喜びです。学校や会社の記念として残るので、責任も感じます」 落語家は師匠や先人の高座名を継ぐ襲名などをした時、高座を飾る「後ろ幕」を新調する。天吾さんは「いつか東さんに仕立ててもらえるよう、精進していきます」と誓った。職人のプロフィール ひがし・ゆうき 1992年大阪府生まれ。大学で染織を専攻。卒業後、カバン縫製の仕事を経て2020年から現職。別の会社で事務の仕事をする傍ら、平岡旗製造の旗縫製士として活躍する。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人丹治翔ネットワーク報道本部|双方向企画担当専門・関心分野メディア・SNS、スタートアップ、人口減社会関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






