視点・解説「捨て石も繰り返せば積み上がる」日中関係に尽力、河野洋平氏を悼む政治部長・倉重奈苗印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする2026年6月8日死去(膵臓(すいぞう)がん) 89歳 ◇ 中国が信頼する数少ない政治家の一人だった。 2006年から日本国際貿易促進協会の会長としてほぼ毎年、企業幹部50~100人を率いて中国を訪問。15回目となった昨年6月は李強首相と面会し、レアアース(希土類)の対日輸出規制に触れ、「怒るのはこの辺にして、企業に仕事ができるようにしてもらいたい」と訴えた。 北京特派員として訪中団を取材した際には「正確に報じて欲しいから」と日中交流の歴史を解説してくれた。難しい時期に訪中する意義についてはこう語った。「僕が行って改善するほど生易しい日中関係ではない。だから捨て石で行く。捨て石でも、繰り返し投げることで積み上がり、少しずつ形になっていく。これが日中関係には必要だ」 93年の「河野談話」では、近隣外交にかける思いと胆力を物語るエピソードがある。慰安婦問題で旧日本軍の関与と強制性を認めたことに「売国奴」と批判にさらされた。ある日、右翼団体関係者が包丁を持って私邸に押しかけた。 真意を改めて説明してはと周囲から進言されたが、かたくなに断った。「談話に対する考えは変わらない。僕が話せば一部の日本メディアが批判し、その批判を韓国メディアが批判する。その応酬で日韓関係はさらに遠のく。日本をおとしめた人間だと言われて棺おけに入っても、日韓関係が改善するなら本望だ」と沈黙を貫いた。 高市早苗首相の「台湾有事」…この記事は有料記事です。残り309文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人倉重奈苗政治部長専門・関心分野中国、日本外交、国際関係、AI、デザイン関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






