【社説】熊本地震の車中泊で死者 連日の猛暑、関連死防止へ連携を2026年8月4日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアするこの社説のポイント●熊本地震から1週間が経過。連日の猛暑のなか、関連死防止が今後の焦点に●氷川町では車中泊の70代女性が死亡。市民団体が見回りに乗り出す動きも。官民で連携し充実させたい●避難所の環境改善など課題は山積。被災者の命を守る支援を尽くし、抜本改革につなげたい
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熊本地震の発生から1週間が過ぎた。安否不明者の捜索はひとまず終了し、被災者への支援、とりわけ災害関連死を防ぐ取り組みが今後の焦点になる。 喫緊の課題は、熊本でも最高気温40度の酷暑日を記録した猛暑への対策だ。 熊本県氷川町で、震災との関連が疑われる死者が確認された。70代の女性で7月30日、自宅の軽乗用車内で見つかった。ガソリンが切れ、クーラーは止まっていた。熱中症の疑いがあるという。 傷んだ自宅で寝泊まりするのは不安だが、避難所は冷房がないなど環境が悪いので行きたくない。大勢のなかで過ごすのが苦手。ペットがいるので避難所に行けない。車中泊をする理由は様々で、それぞれ切実だ。 10年前の熊本地震でも、車中泊がエコノミークラス症候群のリスクを高めると問題になった。今また多くの人が車内を選ぶ現状に、手をこまぬいているわけにはいかない。 国と熊本県は電気や水道などインフラの復旧に注力しつつ、ガソリン供給を増やし、旅館・ホテルの部屋を確保し希望する被災者に移ってもらう取り組みを始めた。声かけを始めた市民団体 加えて強化したいのが、車中泊をしている人への声かけだ。熊本市の生活困窮者支援NPOは見回りを始めた。飲料水などを渡しながら、水分の補給や適度な運動といった注意点とともに、連絡先を伝えている。 被災地には各地から医師や看護師、保健師などのチームが派遣されているが、医療・福祉施設や避難所への対応に追われる。地域の見回りはもっぱら警察が担うが、自宅内で避難を続ける人も視野に入れ、市民団体の取り組みを後押ししたい。官民が連携し、対象を広げていく態勢づくりが望まれる。 ただ、見回り・声かけの強化はあくまで応急処置であることを、国や自治体は忘れてはならない。 被災地を訪れた高市早苗首相との意見交換で、木村敬・熊本県知事は「10年前より、ものすごい速いスピードで被災地の状況は確実によくなっている」と話した。災害のたびに改善が重ねられてきたのは確かだが、被災者が避難所で雑魚寝する光景は今回も繰り返され、車中泊を続ける人がいる。目指すべき状況にははるかに遠い。 どんな支援があれば、車内でなく避難所を選ぶか。見回りで得られた声を生かし、抜本的な改革につなげたい。そのためにも、まずは被災者の命を守ることに全力をあげねばならない。【まとめてわかる】熊本地震 被害状況、イオン、酷暑、震源、寄付は「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする








